毎年起こる巨大台風に大雨、そして地震や津波。日本は常に自然災害のリスクとともにあります。それに対して各家庭で防災リュックを準備している人も多いのではないでしょうか。ですが一方で、
悩んでいる方も多いと思います。
この記事を読むと以下のことがわかります。
ポイント
・備える前に知っておきたい防災グッズの考え方
・赤ちゃんの防災リュックに必要な物品リスト
今回は、主に「赤ちゃんがいる家庭の防災グッズ」にフォーカスして紹介します。
普段家事、育児、仕事と忙しくてなかなか防災について考える時間がないママも、この記事で赤ちゃんの防災リュックを準備するきっかけになればと思います。
目次
赤ちゃんから全世代共通!防災グッズを備えるときに知っておきたいこと
テレビやスマホで地震や台風のニュースを見る度に、「わが家もちゃんと備えなきゃ」「防災グッズ見直さなきゃ」とよく思いますよね。ですが日常の生活を送っているうちについつい「あとでやろう」になってしまいがち・・・。
さらに、とりあえず必要そうなものを備えるだけでは、いざというときに本当にそれで逃げられるのか、また逃げた先で困ったりしないか心配になるものです。
まず、防災グッズを備える際に知っておきたいことが4点あります。
メモ
- 防災グッズの準備は3つの段階で
- 家庭環境と家族ひとりひとりにあわせて
- 居住地域に起こりえる災害を想定して
- 定期的見直しを
防災グッズの準備は3つの段階で
防災グッズといっても、その目的や用途、大きさ、いつ使うのかなどは多種多様です。家庭で準備するものは、「3段階に分けて」考える必要があります。
いつも常に持ち歩く「0次の備え」として「防災ポーチ」。
非常時に避難する際に持ち出す、最低限(1~2日分を想定)の「1次の備え」は「避難リュック」。
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「2次の備え」は「備蓄」。自宅損壊で避難所生活が長引くとき、または自宅が安全で在宅避難を続けるときに必要なものです。
このように、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」揃えると良いでしょう。
家庭環境と家族ひとりひとりにあわせて
防災グッズといっても、各家庭で家族構成も違えば、家族ひとりひとりの持病や個性、アレルギー、悩みごとなども異なります。特に高齢の家族と同居または近所で暮らしていたり、妊娠中や産後、授乳中、精神的・身体的に配慮を必要とする家族がいるなど、状況はさまざまです。
わが家にとって災害時本当に必要なものを「0次の備え」「1次の備え」「2次の備え」に分けて考えてみましょう。
居住地域に起こりえる災害を想定して
お住まいの地域のハザードマップを見たことはあるでしょうか。
住んでいる地域では一体どのような災害が起こりやすいのか、またどんな自然災害の歴史があったのか、調べてみるとよいでしょう。
海や川の近くに住んでいる
山の近くに住んでいる
海抜が低い地域に住んでいる
土砂災害が昔あったと言われている地域に住んでいる
豪雪の時に道がよく寸断される・・・
起こりえる災害によって、備えるグッズも、家のどこに置くか、どの量を持って行くのか、どうやって逃げるか、どこに逃げるのかが全く異なります。
ハザードマップや、自治体が出す防災アプリや防災情報、またその地域に適した防災グッズのおすすめなどを参考にしましょう。
定期的見直しを
だいぶ過去に大量に非常食を買ったけど、いつの間にか賞味期限が過ぎていた・・・
乾電池やガスボンベの使用期限が切れていた・・・
子どもの着替えやオムツがサイズアウトしていた・・・
防災備蓄に関してよく聞く話ですね。
非常食については、普段の生活で食料備蓄を調理して食べ、消費したら使った分だけ買い足す「ローリングストック」が有名ですね。子どもの成長にあわせて、消費した分よりも多めに買うことも必要になってくるかもしれません。
量を常に保ちつつ、食料を無駄にすることがないというメリットのほか、普段食べ慣れておくことで、いざというときに「食べたことがなくてどうやって調理したらいいか分からない」「子どもが食べてくれなかった」という不安点も解消できます。
どんなものをどれだけ備え、どんなふうに見直していけば良いのか、あなたとあなたの家族にとって、本当に必要な備えを考えてみましょう。
続きを見るわが家の防災シリーズ「子どもが非常食を食べなかった」
防災グッズの準備は「3つの段階」で考える
災害直後に緊急で避難するときに、たくさんの防災グッズを持ち出すことは難しいですよね。背負えるリュックの中に入れられるものは限られています。
前述した通り、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは「3段階に分けて」用意しておくという考え方があります。
①「0次の備え」
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、ママと子どもに必要なものを入れて携帯しましょう。
ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
②「1次の備え」
非常時に持ち出す最低限の「避難リュック」
「1次の備え」は災害が発生し避難するときに持ち出す、最低限(1~2日分を想定)の「避難リュック」です。
ついついアレもコレも入れたくなりますが、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点が大切です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるかな?と考えましょう。
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。リストにあるものをすべて詰め込んで、果たしてそれを背負い子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。
③「2次の備え」
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」
さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅に被害あり。避難先での生活が長期化した際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
あるいは、
自宅は無事。でもライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
を想定します。
赤ちゃんからキッズ用まで 防災セットSHELTER(シェルター)
赤ちゃんがいる場合の防災グッズのリスト
リスト:防災ポーチ(0次の備え)
<赤ちゃん編>
・おむつ
・おしりふき
・ビニール袋
・着替え1セット
・離乳食、液体ミルクなど(1食分)
・授乳ケープ(大きめの布)
・おもちゃ(音が鳴らない)、絵本
・食べ慣れてるおやつ
・母子手帳
・お薬手帳
・保険証
<ママ編>
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・身分証明書:コピー
・母子手帳:コピー(「出産の状態」「乳幼児発育曲線」「予防接種の記録」のページ)
・お薬手帳:コピー
・現金(小銭)
・ライト(懐中電灯)
・ホイッスル
・安全ピン
・モバイルバッテリー&充電用ケーブル
・ボールペン
・メモ帳
・常備薬
・救急用品(ばんそうこう等)
・チョコレートや飴(日持ちする非常食)
・飲料水(水筒や500mlのペットボトル。いつも使ってるものでOK)
・携帯トイレ(1~2回分)
・不織布マスク
・水に流せるティッシュ
・ウェットティッシュ
・生理用品
・ビニール袋
・アルミブランケット
赤ちゃん編のものは、普段のママバッグと似ていますね!
防災のため、というより毎日のお出かけにいつもカバンに入れているものが、災害時にも必要なものと分かりますね。
ママバッグに、ママ分の「もし災害が起こったら」、命を守り自宅等に帰るまでに必要なものを「0次の備え」として入れておくといいですね。
リスト:避難リュック(1次の備え)
<服装>
※災害の種類によって服装を変える
・抱っこ紐
・上着
・軍手(ラバーがついたものが良)
・運動靴(長靴×)
・マスク
・傘
・レインコート
・ヘルメット
・ヘッドライト
・防災用の笛
・帽子
<リュックに入れるもの>
赤ちゃん用
・オムツ(10枚前後)
・おしりふき
・着替え2セット
・ビニール袋
・おもちゃ(音の鳴らない)、絵本、シール
・離乳食、液体ミルク、使い捨て哺乳瓶など(1-2日分)
・食器類(使い捨てのスプーン、深めのお皿、カップ、紙コップなど)
・授乳ケープ(大きめの布)
・母子手帳/保険証/医療証/お薬手帳
・保存水
・カイロ/発熱剤
・歯みがきシート
・おくるみ/アルミブランケット
ママや家族用
貴重品類
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・本人確認書類・保険証のコピー
・現金(公衆電話用に硬貨を多めに)
・母子手帳のコピー
・健康保険証のコピー
安全の確保&情報収集
・ライト(懐中電灯やランタンなど)
・モバイルバッテリー(乾電池式がおすすめ)
・充電用ケーブル
・予備の電池(ライト・ラジオ・モバイルバッテリーなど用)
・携帯ラジオ
・イヤホン
・ハザードマップ
・自治体等が出している防災冊子
・メモ帳&油性ペン
飲み物・食べ物
・飲み物(500mlのペットボトル3-4本くらい)
・1-2日分の非常食(アルファ化米、レトルトパウチ、缶詰パンなど)
・食べ慣れたお菓子
・スプーンや箸(使い捨て)
・紙コップ
衛生用品&小物
・暑さ・寒さ対策できるもの(冷却グッズ・防寒シートやカイロなど)
・ガムテープ(もしくは養生テープ)
・めがねやコンタクト
・ビニール袋(大・小)、ジッパー付き袋
・トイレットペーパー(芯を抜いてつぶすと体積を減らせる)
・携帯簡易トイレ(1人7回×2日分×家族分)
・生理用品
・除菌スプレー
・ウエットティッシュ
・使い捨て不織布マスク
・汗拭きシート
・救急用品(ばんそうこう等)
・はさみ
・タオル
・ガム
・安全ピン
・ビニールテープ
着替え&身体を守る
・下着
・インナー
・靴下
・アルミブランケット
・寝袋または簡易マット
・アイマスク
・耳栓
防災士監修! 防災セットSHELTER(シェルター) ベビー 赤ちゃんのための防災グッズ
リスト:備蓄(2次の備え)
「2次の備え」は、
自宅に被害あり。避難先での生活が長期化した際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
あるいは、
自宅は無事。でもライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
よって、備蓄している収納棚や収納ボックスから、避難所に持ち出すことを考えて、空の大きめのカバンもセットで準備しておきましょう。
今回は3日間分を想定した内容で、下記は前提として「0次の備え」「1次の備え」のグッズも持っている想定でのリストです。
・オムツ(3日分。約30枚ですが、避難が長引くことを考えて1パックあると安心)
・お尻ふき(サイズアウトしないのでまとめ買いがオススメ)
・消臭袋
・着替え5セット
・おくるみ
・保湿剤
・オムツかぶれ等のクリームなど普段使っているもの
・清浄綿
・離乳食、液体ミルク、使い捨て哺乳瓶など
・食器類(使い捨てのスプーン、深めのお皿、カップなど)
・純水の保存水
貴重品類
・現金(小銭、お札)
安全の確保&情報収集
・懐中電灯
・ヘッドライト
・モバイルバッテリー
・大容量蓄電池
・乾電池式充電器
・予備の電池(単三、単四など)
・自治体の防災冊子
・メモ用紙
・ペン、鉛筆、マジック
衛生用品&小物
・ビニール袋(大・小)
・トイレットペーパー
・簡易トイレ(1日7回想定×3日分×家族分)
・生理用品
・消臭袋
・新聞紙
・消毒スプレー
・除菌シート
・救急セット(絆創膏、包帯、湿布、消毒液、常備薬など)
・使い捨て不織布マスク
・ゴム手袋
・軍手
・布ガムテープ(養生テープ)
・汗拭きシート
・保湿クリーム
・ふろしき
・エコバッグ
・箱ティッシュ
・タオル、バスタオル
・歯ブラシ
・マウスウォッシュ
・ドライシャンプー
・消臭剤、消臭スプレー
・はさみ
・洗濯ネット
・洗濯洗剤
・ハンガー、洗濯ばさみ
・ロープ、ビニール紐
・メイク落とし
・スキンケア
・めがねやコンタクト
着替え&身体を守る
・着替え、下着、靴下(家族分の3日分)
・毛布/タオルケット
・使い捨てカイロ
・スリッパ
・寝袋
・マット
・簡易テント
子どもが遊べるもの
・音の鳴らないおもちゃ
・おえかきちょう(赤ちゃんの他にきょうだいがいる場合)
・色鉛筆、クレヨン( 〃 )
食べ物・飲み物
・水(1人1日3リットル×3日分×家族)
・非常食(アルファ米、レトルト、缶詰など)
・野菜ジュース
・青汁
・フルーツ缶詰
・粉末緑茶
・使い捨ての食器、はし、スプーン(大・小)、紙コップ
・キッチンばさみ
・ピーラー
・食品用の耐熱ビニール袋
・ラップ
・キッチンペーパー
・キャンプ用の調理鍋セット
・カセットコンロ
・カセットガスボンベ
・発熱材・発熱材用加熱袋
・ライター
・保冷剤
・給水ポリタンク
・保冷剤
・バケツ
「あかちゃんとママを守る防災ノート」でわが家の防災を考えてみよう
「あかちゃんとママを守る防災ノート」(国立保健医療科学院)をご存知でしょうか。
この資料には、妊娠中や産後の女性、乳幼児がいる家庭での災害への備えや、防災が起きたときの行動のポイントが記されています。
ダウンロードして、まずは自分でそして家族と「我が家の備え」を作成してみましょう。
まとめ
家族にとって本当に必要な防災グッズは、「自分自身とその家族のための」ものです。
今回ご紹介したのはあくまでも一例です。
家族と一緒に、「本当に災害が起こったらどうする?」をイメージしながら、家族にカスタマイズした防災グッズを準備するのが一番です。
特に赤ちゃんがいる家庭では、不安になることも多いでしょう。ですが準備をすることで、守れる命・守れる生活があります。
いつ来るかわからない自然災害に対して、少しでも対応できるよう十分な備えをしておきましょう。
(りんごママ)