毎年頻発する台風や大雨による水害。近い将来起こると言われている南海トラフ巨大地震や首都直下地震。
平日の昼間子ども達が小学校に行っているときや、登下校中で子どもだけで歩いているときに起こる可能性もあります。
また、これからの未来をあと60年70年と生きる子供達にとって、自然災害を少しでも減らす努力や、自然災害とどう向き合うか考えることは、避けられないと考えています。
本記事は、子供達には他人事ではなく自分の身の回りにも起こりえる自分事として考え、防災の大切さを考えるきっかけを作りたいと考えている保護者の方向けの記事です。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・小学生と防災教育する大切さ
・自宅で親子で楽しみながら防災を学ぶ方法
・近所の防災施設に行ってみよう
小学生と防災教育する大切さ
防災について学ぶことは、大人・子どもに関わらず重要です。しかし、年代ごとに見えていること・理解できることが変わるため、大人・子どもに応じて防災について考え学ぶことが大切です。
文部科学省の「学校防災のための参考資料「生きる力」を育む防災教育の展開」には、幼稚園、小学生、中学生、高校生別で防災教育について紹介されています。
平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災では、平日昼間に発生し、児童生徒等や教職員等の学校関係者の死者・行方不明者が700名を超え、その規模が甚大であり被害が広範囲に及びました。特に沿岸部の被害の大きかった学校では、学校の再開、児童の転校、学校が避難所になっているなど、教育活動再開までに長い時間を要しています。学校現場に与えた衝撃は大きく、日本において、改めて学校防災の在り方を考え直す機会となったと言われています。
防災教育のねらい
防災教育は様々な危険から児童生徒等の安全を確保するために行われる安全教育の一部をなすものである。したがって、防災教育のねらいは、「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文科省、 2010)に示した安全教育の目標に準じて、次のような3つにまとめられる。 ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、現在及び将来に直面する災害に対 して、的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができるようにする。 イ 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができる ようにするとともに、日常的な備えができるようにする。 ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社 会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。
(「学校防災のための参考資料「生きる力」を育む防災教育の展開」文部科学省)より一部引用
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自宅で親子で楽しみながら学習する方法
ポイント
①図書館や本屋で探そう!子供向け防災を学べる書籍
②防災を学べるインターネットサイト
①図書館や本屋で探そう!子供向け防災を学べる書籍
(1)書籍『防災のサバイバル クイズでわかる生き残り大作戦!』
国崎 信江 監修 / 山本 典生 監修 / 韓賢東 絵 / 朝日新聞出版 編
定価:1056円(税込)
発売日:2021年3月5日
「1人でいるときに、大地震が起きたらどうする?」をテーマに、災害に遭遇したとき、子供だけでも落ち着いて行動し、身を守る方法を学べるクイズ形式の子供版防災ハンドブックです。
(2)書籍『地震だ!その時オラがひとりだったら新版 クレヨンしんちゃんの防災コミック』
発売日: 2019年03月
著者/編集: 臼井儀人, 永田宏和
定価:880円
2016年3月11日にA5判サイズにて刊行された、同タイトルのリサイズ(新データ改定)版。漫画・写真を使ったふりがなつきの解説で、保護者や防災教育をおこなう専門家からも高評価の1冊。災害多発が懸念される、これからの環境を生きる子供たちに、防災知識と意識がしっかりと刻まれるよう願いが込められています。
(3)書籍『めちゃカワMAX!! 小学生のステキルール 防犯・防災イラストBOOK』
発売日: 2019年07月
著者/編集: ALSOK(監修)東京海上日動火災保険株式会社(監修)
定価:1,320円
マンガやかわいいイラストが満載で人気の「めちゃカワ」シリーズの、防犯・防災編です。いつ起こるかわからない災害に関する知識や犯罪に巻き込まれないための対応策、考え方をマンガやイラストで学べる本。とてもかわいらしい表紙ですが、ALSOKと東京海上日動が監修している本格的な防犯・防災マニュアルです。
(4)書籍『学校では教えてくれない大切なこと 10 身近な危険 防災と防犯』
発売日: 2016年05月
著者/編集: オオタヤスシ
定価:935円
あらゆるテーマをマンガやイラストで楽しく教えてくれる「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズから出た、防災・防犯編。「身近な危険」がテーマで、交通事故など家の外だけでなく、学校や家の中の危険、災害について触れています。地震のとき、どうやって身を守るのか?、台風のときの対応、ゲリラ豪雨になったときの行動など。
②防災を学べるインターネットサイト
(1)「防災ノート」(小学生)ー安全教育・防災教育ポータルサイト
安全教育・防災教育ポータルサイト(東京都教育委員会)
災害への備えや対応を知り、自分で考え調べてまとめる学習ノート「防災ノート〜災害と安全〜」。デジタルブックとして東京都が防災教育ポータルサイトで配信しています。このノートは、小学校低学年・中学年・高学年別に内容が紹介されています。地震や火災、大雨などの災害に備えて、日ごろから知っておきたい行動や、災害が起こった時にその場でとるべき行動はなにか、学習するコンテンツです。
(2)私のお家は大丈夫?
私のお家は大丈夫?自分の地域を知って、災害に備えよう!|TEAM防災ジャパン
(ー内閣府政策統括官(防災担当) TEAM防災ジャパン)
内閣府政策統括官が運営する「TEAM防災ジャパン」にある、子どもが防災について調べるのをサポートするコンテンツです。Webサイトでは複数ステップに分かれていて、地域を自宅周辺、家のなかで起こりえる危険、もしくは家の人と話し合うことなど、防災について考えるきっかけとしてサポートをします。また最後には、自身で調べたものを発表するためのポイントも。
(3)そなえる防災
(NHK)
地震や台風などの各ジャンルごとに専門家が詳しく解説しているコラムや、身を守るための知恵や工夫をわかりやすく紹介しています。
その他、防災に関する質問に専門家が答えるQ&A、動画で学ぶコンテンツ(地震・津波・台風・水害・熱中症)などを掲載 しています。
(4)学ぼうBOSAI
(NHK for School)
自然災害を正しく知り、命を守るためにどう行動するかをみずから考えてゆくためのEテレ番組です。毎週土曜日午前5:50〜6:00。過去配信の動画をインターネットで視聴できます。
(5) おうちで防災を学ぼう!リモート防災学習
(東京消防庁)
東京消防庁ホームページ内に開設された「リモート防災学習」ページ。 各世代や年代に合わせた、デジタル教材が多数掲載されています。学校や自宅で防災訓練や防災教育等に活用できます。対象は幼稚園から中学生まで、幅広いコンテンツがあります。
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地域の防災施設に行ってみよう
今回紹介するのは例の一部です。
お住まいの都道府県でもその地域に発生しやすい種類の災害に沿った、防災教育のサイトやコンテンツを出していることがあります。
「●●(県名)、防災、教育、教材」で検索してみましょう。
①そなエリア東京
「そなエリア東京」は、地震災害後の支援が少ない時間を生き抜く知恵を学ぶ防災体験学習ツアー「東京直下72hTOUR」(地震発生後 72時間の生存力をつける)を中心とした防災体験学習施設です。
被災地や避難所の様子を再現した実物大のジオラマ展示、津波避難体験コーナー、首都直下地震でどのような被害想定なのか、なぜ起こるのか?などの特設コーナーなど。また、首都直下地震発生時に緊急災害現地対策本部の候補地となるオペレーションルームも見学窓から見ることができます。
施設情報
住所 | 東京都江東区有明3丁目8番35号 |
入館料 | 無料 |
電話番号 | 03-3529-2180 |
休館日 | 月曜日、年末年始及び臨時休園日 |
参考:防災体験学習(そなエリア東京) | 東京臨海広域防災公園
②東京消防庁本所防災館
東京消防庁本所防災館は地震、煙、火事、暴風雨の模擬災害の体験を通じて、防災知識、行動力を高める体験学習ができる施設です。1~4階まであり、 館内には自由見学コーナーと体験コーナーがあり、体験コーナーではインストラクターが案内するツアーも行っています。
施設情報
住所 | 東京都墨田区横川4-6-6 |
入館料 | 無料 |
電話番号 | 03-3621-0119 |
休館日 | 毎週水曜日・第3木曜日、年末年始 |
参考:本所防災館|各施設のご案内|防災館 東京消防庁 都民防災教育センター
まとめ
南海トラフ地震、首都直下型地震など、大きな地震はいつ起こるかわかりません。小学生の子どもたちにとって、災害や防災について学ぶ機会を親子で設けてみてはどうでしょうか。
(りんごママ)