地球温暖化によって、猛暑や酷暑の日が増えた近年。クーラーや扇風機なしの生活は考えられなくなってきました。一方で、地震や台風、落雷や大雪など、日本では様々な自然災害が発生しています。こうした自然災害によって引き起こされるのが停電です。
「もしも真夏に停電が発生したら?」
あなたはこのことについて考えたことがあるでしょうか。停電に備えて防災グッズの用意をしている方は多いと思いますが、夏という季節に気を付けて停電対策も含めて考えている人は、決して多くないと言えます。
そこで本記事では、真夏に停電したときの熱中症対策や、停電時に役立つ防災グッズについてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・真夏の停電対策に必要なグッズ
・停電時の暑さ対策「知恵」
・真夏に停電が発生する理由
1.真夏の停電に必要なグッズ14選
停電時に必要な対策グッズを具体的にご紹介します。
まず前提として、本記事は
「避難所には行かず、家の安全が確保された上で在宅避難をする」
という状況を想定しています。
避難所で過ごす際は、避難リュックに詰められる荷物に限りがあるので、もっと省略・軽量化した準備になります。
真夏の停電に必要なグッズ14選
① 大量の水
② 塩飴・塩タブレット
③ 経口補水液
④ 保冷剤
⑤ 冷感タオル・スカーフ・リング
⑥ 冷却シート
⑦ クーラーボックス
⑧ 扇子やうちわ
⑨ 乾電池式のハンディファン
⑩ モバイルバッテリー
⑪ ポータブル電源
⑫ 汗拭きシートorおしりふき
⑬ 着替え
⑭ タオル・ハンカチ
① 大量の水
- 熱中症対策には水分補給が重要
- 飲料水の目安として1人あたり1日3リットル×3日分の確保が理想
- 常時より、水を入れたペットボトルを凍らせておくことで、停電時にクーラーボックスとあわせて使って保冷剤の代わりにすることも
② 塩飴や塩タブレット
- 熱中症は水分だけでなく、塩分の不足によっても起こります
- タブレットや飴は冷蔵庫や冷凍庫が無くても保存できます
- 多めに買って食べたら買い足すローリングストックがオススメ
③ 経口補水液
- 水とカリウムやナトリウムなどの「電解質」が、適切な濃度で配合された飲料です。
- 汗をかいたら脱水症状にならないよう飲むようにしましょう
- ほかにもスポーツドリンク等なども
- 備蓄しやすい粉末タイプもおすすめ
④ 保冷剤
- 首筋、脇の下、足の付け根にあてて体温を下げる
- クーラーボックスに入れて食品の保冷など、用途はたくさん
- 日頃からペットボトルに水を入れて凍らせておいて、保冷剤として使ってもOK
⑤ 冷感タオル・スカーフ・リング
- 首に巻いて使える冷感アイテムもさまざまなものが出ています
- 凍らせて使うもの、水に濡らしたら冷たく感じるものなどありますが、停電した状況下でも繰り返し使えるものも揃えたいですね
⑥ 冷却シート
- 体の熱を下げるというより、暑さの不快感や苦痛をやわらげることが目的
- 日常生活で風邪を引いたときなどに使う目的で、多めに購入しておき、使ったら買い足しておきましょう
⑦ クーラーボックス
- 真夏の停電において、食材をキープする必須アイテム
- 停電して冷蔵庫が止まったら、要冷蔵で優先度の高い食材をクーラーボックスに入れ替えましょう。保冷剤も一緒に入れることを忘れずに
- 折りたたみ式のクーラーボックスもあるので保管に◎
⑧ 扇子やうちわ
- エアコンを使えないなかで涼しい風を少しでも得るため
- 低価格で揃えらえるので、家族の人数分以上の個数があると良し。
⑨ 乾電池式のハンディファン
- 扇子やうちわでずっとあおぐのは大変。そこでハンディファンが便利です
- 災害時は充電式ではなく「乾電池式」がおすすめ
- 乾電池もあわせて多めにストックしておきましょう
⑩ モバイルバッテリー
- スマホの充電は災害時、停電時の情報収集のための必須アイテム
- 災害に活躍するのは「乾電池式」のモバイルバッテリー
- そのためにも乾電池は多めに常備
⑪ ポータブル電源
- 若干お値段が高いですが、ひとつあると重宝します
- ものにもよりますが、扇風機なども電源をここから取ることができます
⑫ 汗拭きシートorおしりふき
- 汗でべたべたで不快になるので、シートタイプですっきりと
- 汗をかくこと自体は◎。適度に汗をかいて、身体の熱を発散させる
⑬ 着替え
- 着替えは通気性がよいものを。
- 特に子ども分は多めに準備
⑭ タオル、ハンカチ
- 汗拭き用や、ぬらして首に巻く用に
- 洗濯機も使えないので、多めに用意すると◎
定期見直しも忘れずに
準備した防災グッズは、賞味期限や使用期限も定期的にチェックしましょう。目安は半年に1度!3月と9月の見直しがおすすめです。
防災グッズの見直しチェックポイントや時期についてはこちらも参考にどうぞ
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2.グッズ以外でも!停電時の暑さ対策アイディア5個
① 洋服の調整
汗をかくことは◎。適度に汗をかいて体の熱を放出できるよう、室内にいるときは半袖・短パンや、通気性・吸湿性・速乾性のある服に着替えましょう。
② 冷蔵庫は極力開けない
停電後、冷蔵庫内の食料を取り出そうと何度も冷蔵庫を開け閉めすると、残っている冷気もあっという間になくなり、そのままにしていると食材が腐る原因に。また、腐りやすい食料は、保冷剤とともにクーラーボックスに移し替えましょう。
③ 風通しを良くする
エアコンや扇風機が使えないなか、自然の風は貴重な涼む手段になります。風にあたることで汗が蒸発して、体温の上昇を抑える効果も。2箇所以上の窓やドアを開けると、風が通り抜けやすくなります。台風などで窓を開けられないときや、窓を開けても無風の場合には、うちわや扇子、ハンディ扇風機が必須です。
④ 体温を下げる工夫
体温を下げる工夫として、
- 風にあたる
- 日陰で過ごす
- 首筋、脇の下、足の付け根を冷やす
特に「首筋、脇の下、足の付け根を冷やす」ときに重宝するのが保冷剤です。
もし保冷剤がない場合は、タオルやハンカチを水で濡らして首に巻きましょう。体を濡らすと、その水分が蒸発するときに体の熱を下げようとします。気温が上がると汗をかき、体温を下げようとするのと同様のしくみです。また、水風呂に入って体を冷やすのもおすすめします。
⑤ 日頃から「保冷剤」を作っておく
停電の時に保冷剤が重宝することは繰り返し説明してきましたが、停電してからでは保冷剤を作るのは難しいですよね。よって日頃から保冷剤を作っておくことが重要です。冷凍庫に水を入れたペットボトルや、ケーキなどを購入した際についてくる保冷剤、風邪を引いたときに使うアイス枕など、常時冷凍庫に入れて凍らせてストックしておきましょう。
停電時のために準備しておきたいのが、クーラーボックスです。電源が切れて数時間たった冷凍庫や冷蔵庫に比べると、保冷剤を入れたクーラーボックスは保冷力が高く、凍った食材や氷なども入れることができれば、保冷力はさらにアップします。
また、先述した通り一度溶けてしまった保冷剤や氷は、停電時に再び凍らせることは難しいため、最初は使用できても長期間使用することはできませんよね。
よって、溶けたら使えなくなる道具だけではなく、タオルや手ぬぐい、アイスリングなどを水に濡らして使ったり、手動であおぐうちわや扇子など、電力を使わずに涼める道具も揃えておくことが大切です。
3.真夏に停電が発生する原因
①自然災害
夏は、以下のような自然災害で停電が発生するリスクがあります。
- 台風による暴風
- 大雨
- 土砂災害
- 洪水・浸水
- 大気が不安定になって発生する落雷
また、大地震は季節問わずいつ起こるかわかりませんね。地震による停電も、起こりえます。
特に台風による停電は、大雨や暴風が電柱の破損や倒壊を大規模に引き起こすこともあり、実際に電気が復旧するまで長期化した事例もありました。
②電力需要の急増
また自然災害以外にも、猛暑によって電力需要が急増し、それに伴って停電する可能性もあります。
4.夏の停電で起こりえるリスクや健康被害は?
① 脱水症
大量の汗をかくことで水分と塩分が失われ、その補給ができていない場合に起こる脱水症。この脱水も、熱中症の原因です。
② 熱中症
高い気温と湿度の環境下で生じる健康障害。体温調節が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
本来私たちの体は、常に熱を生み出しています。それと同時に、周りの温度が高くて体温が上がれば、熱を体の外に逃がし、周りの温度が低くて体温が下がれば、熱をため込むなど、常に適切な体温になるよう調整できるようになっています。しかしこの働きに異常が起こり、体の中に熱がため込まれてしまうために熱中症になるのです。
もし真夏に停電が起こると、エアコンや扇風機が使えなくなり、室内の「温度」と「湿度」が上昇します。さらに「風が弱い」状態で、熱中症を引き起こしやすい状況となります。熱中症は重症化すれば命に関わるため、真夏の停電にも対策ができるように日頃から備えておくことが大切です。
③ トイレ我慢による体調不良
水道水の供給には少なからず電気が利用されているので、停電すると断水になり、トイレを使うことができなくなることも。
ついトイレを我慢しようと思って水分を摂るのを控えると、逆に体調を崩すことにつながります。
また水分を充分に補給しないと、脱水症を経て熱中症になってしまうことも。
健康維持の大元である「トイレを我慢しない」ためにも、非常用トイレの備えを充分にすることをオススメします。
④ 食料が腐る
冷蔵庫・冷凍庫が止まり、庫内の食料が腐る恐れもあります。腐っているのに食べてしまうと、お腹を壊したり食中毒の危険も。
停電したら、まずクーラーボックスに保冷剤を入れ、冷蔵庫・冷凍庫内から冷やす必要があり優先度の高い食材を移動させましょう。
また、自宅内にある食材をどのような順番で食べるかも大切です。
まずは①「冷蔵庫」の中から食べ、次に②「冷凍庫」のものを食べていきます。次が③キッチンにある常温で保存が可能なもの、そして最後が④長期保存可能な非常食(アルファ化米や缶詰パンな)どです。もちろん、①や②を食べるときに③や④と組み合わせて調理してもOKです。ですがまずは、傷みやすいものから食べることが鉄則です。
参照:
NHK「【特集】脱水症状とは 熱中症などの関連する病気や症状、予防法」
5.まとめ
毎日暑い日が続いています。この暑さは年々増すばかりです。このブログを書きながら「今停電が起きたらどうする?」と考えると、不安が募る一方です。ですが、これを読んだ今から真夏の停電対策を1つずつ準備してみましょう。
いざというときに助かることがたくさんあります。特に子どもや高齢者と一緒に住んでいる場合は、より準備を念入りにしたいところです。
(りんごママ)