地震や台風・大雨・洪水など、いざというときのためにも、備えは万全にしておきたいものですね。
ですが、準備しようにも何から一体準備したらいいか分からない、という人も多いはず。
防災グッズとひとことで言っても、「何日分?」「どれくらいの量?」「どんな時を想定した準備をしたらいいの?」など疑問も多いと思います。
なかでも、防災リュックのなかにどれくらいの食料を入れたらいいのか。どのような食品なら食べやすいのか?難しいですよね
今回は、防災リュックに入れる非常食は何をどれくらい入れたらいいのかわからない、という方向けに、食料や飲料水について説明しています。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・防災グッズは「3段階にわけて」考える
・防災リュックに入れる食料&飲料水を解説
・ダウンロード可能!防災リュック(1次の備え)のPDFリスト
・防災リュックをつくるときの基本的考え方
防災グッズは「3段階に分けて」準備する
ひと口に「防災グッズ」と言っても、その中身は様々です。
ここの章では、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」用意しておくという考え方を紹介していきます。
①「0次の備え」いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
外出中に被災した時の備え
②「1次の備え」非常時に持ち出す「避難リュック」
避難するときに持ち出し。命を守る最低限の備え
③「2次の備え」1週間の「在宅備蓄」
被害が長期化したときの備蓄
①「0次の備え」いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
0次の備えとは、普段持ち歩くバッグに入れておける防災グッズです。なるべくコンパクトに、仕事やお買い物の外出先で被災した時に、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。
出勤用かばん、家族と出かける時のかばん等、バッグを変えてもすぐに入れ替えられるよう、ポーチなどにまとめておきましょう。もしくは、毎回入れ替えるのが大変、という方は、出勤用と休日用のバッグ別に、それぞれの防災ポーチを入れるとよいでしょう。
また、ポーチの形ではありませんが、小さなお子さんの居る方は、外出先でも赤ちゃんのお世話ができるママバッグ・マザーズリュックを持ち歩いていると思います。実はこのママバッグは、充実した「0次の備え」と言えます。
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②「1次の備え」非常時に持ち出す「避難リュック」
「防災グッズ」ということでまず頭に思い浮かべるのは、いわゆるこの「非常持出袋」の人が多いと思います。これが「1次の備え」に当たるものです。
災害発生後、緊急時にさっと持ち出して逃げられる、命を守る最低限の備えになります。発生から1~2日を過ごせるようにリュックを準備します。
インターネットで、防災グッズと検索すると、「1次の備え」とこれから説明する「2次の備え」が混合して、避難所等では使うことがほぼないグッズが入っていたり、重すぎてさっと持ち出して逃げるには到底難しいような防災グッズリストや、商品などもあります。
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
リストにあるものをすべて詰め込んで、果たしてそれを背負い、子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら準備することをオススメします。
初心者向け!初めての防災リュックなにから揃える?DL可能PDFリスト付き!
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③「2次の備え」1週間の「在宅備蓄」
【DL可能】在宅避難の1週間備蓄リスト&在宅避難の判断ポイントを解説
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「2次の備え」とは、いわゆる「備蓄」です。
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
自宅は無事だが、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
あるいは、
自宅に被害があり避難先(避難所や知人宅など)での生活が長期化する際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
と考えます。
しかし、家族分の長期間用の物資となると、かなりのボリュームになります。
自宅に大きな被害がなく、そのまま自宅で過ごす事ができる場合は良いですが、自宅外に持ち出すことも考えて、運び出し用のボックスや空のバッグも用意しましょう。
また、防災備蓄全般によくあることですが、特に食品は気づいたときには賞味期限をとうに過ぎてしまっている、ということが度々起こります。
おすすめなのがローリングストックという考え方です。
防災グッズには、非常用トイレやカセットコンロ、乾電池のように一度備えたら長期間放っておいて大丈夫なものもあります。
一方で、ローリングストックは、備蓄している食料を、日常の食事に取り入れて食べたらまたその分買い足す、または、買い足した分だけ食べる、という方法です。
ローリングストックについてはコチラ
防災リュックに入れる食料・飲料水!種類や量は?
①防災リュックの食料・水のポイント!
ここでは、
・地震発生時、水害時に徒歩で「避難所」へ移動
・3日間生活する
・説明する量は、大人1人分です
という状況を想定して説明します。
人数や家族構成に応じて、量や中身をカスタマイズしましょう。
ポイント
・常温でそのまま食べられる、においが少ないものを選ぶ
・避難所で不足する栄養素をサプリで補う
・アレルギーなどがある場合は、避難所からもらったものは食べられない可能性があるので、持参量を増やす
②最低限これは入れよう!という場合
・飲料水 500ミリ×2本
・ゼリー飲料 3個
・栄養補助食品や長期保存パン 3個
長期保存のパンは、缶詰タイプではなくパウチタイプならそこまでかさばりません。
飲料水は、大きなタイプのペットボトルではなく、衛生面から500ミリのペットボトルがおすすめ。
③リュックに少し余裕があったら
・飲料水 500ミリ×3本
・水をもらうための給水バッグ 1つ
・ゼリー飲料 3個
・栄養補助食品や長期保存パン3個
・長期保存・かさばらない携行食品 3個
・サプリメント(ビタミン&ミネラル)
・食器類(スプーン、割りばし、紙皿)
<災害発生から最初の3日。避難所であたため調理は?>
- 避難所で調理・あたためができる商品もありますが、実際には避難所では難しいこともあります。たくさんの人が押し寄せて食料が不足している中で、あたたかくて美味しそうな香りがするものを食べる勇気がある場合はもちろん良いですが、なかなか難しいことも。
- もしもこういったものを使う時は、在宅避難、車中で食べる、テント内なら使いやすいと思います。
<大事なのは「背負って走れるか」>
- 飲料、食品はとにかく重い&かさばるので、背負って走れる重さまで。
- もっと備えておきたい場合は…
- 着替えや寝具など、同じく「あると便利」「もう少し量をもっていきたい」と思う追加カバンを準備し、食品・飲料の追加分はそこに入れる。
- もしも余裕があって運び出せるなら「追加カバン」も運ぶが、基本的に緊急避難のときは最低限のリュックを背負っていけるように、量を制限する。
④おすすめの食料&長期保存水
長期保存可能な非常食パン「ひだまりパン」
缶詰タイプではなく、パウチタイプなのでかさばりません。味も甘すぎず、子どもにも食べやすい味。フレーバーも3種類あります。
長期保存可能な「カゴメ野菜一日これ一本」
1缶に野菜1日分350g分をぎゅっと濃縮して使用していて、緑黄色野菜を中心に30品目の野菜がバランスよく入っています。
「野菜一日これ一本長期保存用」を備蓄食品の1つに加え、普段から非常時に備えておきましょう。
長期保存水の500ミリペットボトル
全部を2リットルペットボトルで用意するのではなく、飲みやすくかつ衛生面を考えて500ミリペットボトルも併せて買うことをおすすめします!
ダウンロード可能!防災リュック(1次の備え)のPDFリスト
①防災リュックの基本リスト(ダウンロードできるPDF付き)
「1次の備え」防災リュックの基本リスト(2ページ)(PDFダウンロード&印刷できます)
服装
※災害の種類によって服装を変えましょう
・上着
・軍手(ラバーがついたものが良)
・運動靴(長靴×。底に踏み抜き帽子のインソールが入っていると◎)
・マスク
・傘
・レインコート
・ヘルメット
・ヘッドライト
・防災用の笛
・帽子
・リュックの防水カバー(防水仕様のリュックでない場合)
・抱っこ紐(ベビーカーは×。抱っこ紐で逃げるの推奨です)
<リュックに入れるもの>
貴重品類
・本人確認書類・保険証のコピー
・現金(公衆電話用に硬貨を多めに)
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・母子手帳のコピー
・健康保険証のコピー
安全の確保&情報収集
・懐中電灯
・モバイルバッテリー(乾電池式がおすすめ)
・充電用ケーブル
・予備の電池(ライト・ラジオ・モバイルバッテリーなど用)
・携帯ラジオ
・イヤホン
・ハザードマップ
・自治体等が出している防災冊子
・メモ帳&油性ペン
飲み物・食べ物
・飲み物(500mlのペットボトル3本くらい)
・2~3日分(4~5食分)の非常食
・食べ慣れたお菓子
・スプーンや箸(使い捨て)
・紙コップ
・皿になる容器(準備した非常食に応じて)
衛生用品&小物
・暑さ・寒さ対策できるもの(冷却グッズ・防寒シートやカイロなど)
・ガムテープ(もしくは養生テープ)
・めがねやコンタクト
・ビニール袋(大・小)、ジッパー付き袋
・トイレットペーパー(芯を抜いてつぶすと体積を減らせる)
・携帯簡易トイレ(1人7回×2日分×家族分)
・消臭タイプのビニール袋(汚物を入れるため)
・生理用品(生理目的だけでなく下着を交換できない場合におりものシートがあると便利)
・除菌スプレー
・ウエットティッシュ
・使い捨て不織布マスク
・汗拭きシート
・救急用品(ばんそうこう等)
・はさみ
・タオル
・ガム
・安全ピン
・ビニールテープ
着替え&身体を守る
・下着
・インナー
・靴下
・アルミブランケット
・寝袋または簡易マット
・アイマスク
・耳栓
・簡易スリッパ
②おすすめの防災リュック
(1) 防災セット SHELTER プレミアム 1人用
(2) 防災セット ラピタ プレミアム 1人用
(3) ものすごい 防災セット 1人用
防災リュックをつくるときの基本的考え方
ポイント
①基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
②1人ひとつ用意する
③避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
④居住地域に起こりえる災害を想定して
①基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
よくネットで紹介されているリストは、あくまでも「一般的」な物品リストです。
お子さんの年齢、赤ちゃんや高齢者がいる、ペットがいるなどで、各家庭の状況でカスタマイズしましょう。
市販でセットになっている防災リュックもあります。「買って安心」で終わらせず、必ず中身を全部一度出して確認し、自分にあわせて不要なものは抜き、お店やネットで必要な備品を追加しましょう。
②1人ひとつ用意する
防災リュックは1人ひとつ用意するのが基本です。
赤ちゃんから幼児、高齢者をのぞき、リュックを背負える人には1つずつ備えておきましょう。
なぜ1人1つの防災リュックを準備するのが良いとされる理由は、以下の通り。
- もしはぐれてしまったときでも融通が利きやすくなる
- 例えばパパが不在中に避難することになった場合、ママ用と子ども用を背負って逃げれば良い。もの別にまとめて2個~3個のリュックに分けると、どれか1個を持ってくることができないと、不便な状況になる。
- 1人が1回・1食に使う分が可視化でき、限られたリュックの容量を無駄にせずパッキングできる
- 小学生以上の子どもにも1つリュックを準備。背負える大きさ・重さのリュックで、立派な戦力に。ただし、いざというときに背負える状況ではなければ命の安全を優先。
③避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
防災リュックに、例えば1週間分の荷物を入れて逃げるのは、重すぎて運ぶことができません。
前述した通り、防災グッズを準備する際は、状況や目的を明確にして3段階にわけて考えましょう。
また、避難所へ行くときも「自分で背負って走れる重さか」が大切です。たくさん詰め込むと安心した気持ちにもなりますが、まずは1泊2日間滞在する量で準備しましょう。
④居住地域に起こりえる災害を想定して
居住地域のハザードマップを見たことはあるでしょうか。
住んでいる地域では一体どのような災害が起こりやすいのか、またどんな自然災害の歴史があったのか、調べてみましょう。
海や川の近くに住んでいる、山の近くに住んでいる、海抜が低い地域に住んでいる、土砂災害が昔あったと言われている地域に住んでいる、豪雪の時に道がよく寸断される・・・
起こりえる災害によって、備えるグッズも、家のどこに置くか、どうやって逃げるか、どこに逃げるのかが全く異なります。
ハザードマップや、自治体が出す防災アプリ、またその地域に適した防災グッズのおすすめなどを参考にしましょう。
(1)海や川の近くに住んでいる場合
海や川の近くに住んでいる場合、水害への備えは必須です。
水害での避難の場合、台風や豪雨などが考えられます。
リュックを防水タイプのものにする
または、リュックに防水カバーをかける
脱げにくい靴を用意する(長靴はNG)
タオルや着替え、靴下を多めに入れる
レインコートを取り出しやすい場所にする
などの工夫が必要です。
また、避難するときに道が冠水してしまった場合、安全を確認しながら進むため、杖や傘を地面につきながら進むことが推奨されています。
さらに、大人でも歩くのが大変な道を子どもに歩かせるのは難しく、抱っこやおんぶをすることになるでしょう。そのために、やはり両手が空くスタイルにしましょう。
浸水被害を想定して、持出袋の保管場所もやや高い位置にしておく、などの対策も必要です。備蓄や貴重品を2階以上に置いておくのも良いでしょう。
(2)山の近くに住んでいる場合
山の近くに住む場合、怖いのは土砂災害です。
津波の場合にも当てはまりますが、土砂災害の場合、逃げる際のスピードが大切です。
いざ避難となった場合、危険地域から一刻も早く離れる必要があるため、避難リュックの優先事項は「軽さ」です。
車で避難するのであれば、あらかじめ車に保管するのも良いでしょう。
ハザードマップを見て、避難ルートを確認しておきましょう。
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まとめ
地震や台風・大雨・洪水など、いざというときのためにも、備えは万全にしておきたいものですね。
何をどれくらい準備したらいいのか、よくあるリストをみるだけでは分かりづらいもの。あれこれ準備し始める前に、防災グッズを備えるときに知っておきたい基本を覚えておきましょう。
(りんごママ)