防災意識は高まりつつも、「防災対策ってたくさんありすぎて、結局なにから始めればいいのかわからない...」という人も多いかもしれません。今回は、すぐ始められ、一部無料でもできる防災対策についてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・初心者にもすぐできる防災対策
・防災グッズの基礎知識「3段階に分けて準備する」
・防災アプリDL、SNSアカウントフォロー
・防災リュックからつくる
・地域で起こりやすい災害を調べる
初心者にもすぐできる防災対策
①防災グッズの基礎知識「3段階に分けて準備する」
防災グッズとひとことで言っても、その範囲はとても広いです。
準備しようにも何から一体準備したらいいか分からない、という人も多いはず。「何日分?」「どれくらいの量?」「どんな時を想定した準備をしたらいいの?」など疑問も多いと思います。
そこで、防災グッズを準備するときに知っておきたい「3段階に分ける考え方」を紹介します。
ポイント
①「0次の備え」いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
外出中に被災した時の備え
②「1次の備え」非常時に持ち出す「避難リュック」
避難するときに持ち出し。命を守る最低限の備え
③「2次の備え」1週間の「在宅備蓄」
被害が長期化したときの備蓄
詳しくは、第2章「防災グッズを準備するときに知っておきたい「3段階に分ける考え方」」で紹介します。
②防災アプリや公的機関のXをフォローする
災害発生時の情報は超重要です。
災害時のときだけ閲覧するのではなく、普段から使ってみることが大事です。
・公的機関、住まいの自治体や防災課などのX(旧Twitter)もフォローしておく
・正しい情報を得るために、防災アプリをダウンロード
SNSで災害のときに強いといわれているのがX(旧Twitter)です。
地震速報や防災情報を発信している公的機関や、自治体や防災課のアカウントをフォローしておきましょう。
ただし、情報が早い一方で、デマやフェイクが多いというデメリットもあるので、信頼できる情報を見極める力をつけておきたいものです。
詳しくは第3章でおすすめのアプリなどを紹介しています。
③初心者は防災リュックからつくる
防災用にほとんど準備をしていない…という人におすすめが、
まずは持ち出し用の「防災リュック」、別の呼び方だと「非常時持ち出し袋」「避難リュック」です。
目安としては1~2日分。
いきなり1週間分の食料を…とハードルをあげるよりも、まずは「何のための」「何日分の」「いつ使う想定で」「なにを入れたらいいのか」がわかりやすい、「防災リュック」から作るとよいでしょう。
詳しくは第4章の防災リュックの中身編で紹介します。
④地域で起こりやすい災害を調べる
住んでいる地域では一体どのような災害が起こりやすいのか、またどんな自然災害の歴史があったのか、調べてみるとよいでしょう。
海や川の近くに住んでいる、山の近くに住んでいる、海抜が低い地域に住んでいる、土砂災害が昔あったと言われている地域に住んでいる、豪雪の時に道がよく寸断される・・・
地域で異なる起こりえる災害によって、備えるグッズも、家のどこに置くか、どうやって逃げるか、どこに逃げるのかが全く異なります。
防災グッズを準備するときに知っておきたい「3段階に分ける考え方」
ここの章では、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」用意しておく考え方を紹介していきます。
防災対策として思いつくものを毎日持ち歩くのは難しいですよね。
例えば2リットルの保存水やアルファ米を「もしものためだから…」と通勤かばんに入れている人はほとんどいないはず。
さらには災害発生時、緊急で避難する際に、何日間避難するのかもわからないのに、とにかくたくさんの食料をかかえて避難所に行く事は難しく、背負える非常用持ち出し袋の中に入れられるものは限られてしまいます。
そこで、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは「3段階に分けて」用意しておくという考え方を紹介していきます。
①0次の備え
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、必要なものを入れて携帯しましょう。
ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
【防災ポーチリスト】女性に必要な持ち歩き用|仕事や外出時に災害が起きたら?
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②1次の備え
非常時に避難する際に持ち出す最低限の「防災リュック」またの名を「非常時持ち出し袋」「避難リュック」で、1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。リストにあるものをすべて詰め込んで、果たしてそれを背負い子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。
初心者向け!初めての防災リュックなにから揃える?DL可能PDFリスト付き!
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③2次の備え
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅は無事だが、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
あるいは、
自宅に被害があり避難先(避難所や知人宅など)での生活が長期化する際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
を想定します。
特に、災害発生後、電気や水道、ガスが止まった状態で自宅等で生活を続けるには、水・エネルギー(電気やガスで調理したり温める手段があるか)・食糧・トイレの確保が不可欠です。
【DL可能】在宅避難の1週間備蓄リスト&在宅避難の判断ポイントを解説
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またこちらのサイトでは、各家庭の人数等を入力し、1週間分または3日分の備蓄量を示してくれます。
無料ですぐできる!防災アプリを入れよう
災害発生時の情報収集は超重要です。
災害時のときだけ閲覧するのではなく、普段から使ってみることが大事です。
また、情報を収集するためにはスマホの充電が不可欠です。防災リュック・在宅備蓄には必ずスマホ充電器と乾電池を備えましょう。
※防災用には、乾電池の備えがあれば継続して使える「乾電池式」のスマホ充電器がおすすめです。
- 公的機関、住まいの自治体や防災課などのX(旧Twitter)もフォローしておく
SNSで災害のときに強いといわれているのがX(旧Twitter)です。
地震速報や防災情報を発信している公的機関や、自治体や防災課のアカウントをフォローしておきましょう。
ただし、情報が早い一方で、デマやフェイクが多いというデメリットもあるので、信頼できる情報を見極めることも重要です。
- 正しい情報を得るために、防災アプリをダウンロード
<おすすめ>
地震・津波などの特別警報や、土砂・洪水などの危険度を知らせてくれる「特務機関NERV防災」。情報は気象庁の気象業務支援センターから直接受け取っており、独自の技術でスピーディーに通知がくる。
緊急地震速報・豪雨予想・避難情報などの防災情報がスマホに通知されます。最大3つの地域を登録できるので、自宅・職場・実家など、現在地と離れた場所の情報もすばやく確認可能です。
防災情報に加えてNHKの最新ニュースもチェックできる「NHK ニュース・防災」。マップ上で雨雲・台風・河川の情報を確認できる、便利な機能もついています。
ほかにも、自分の住む地域「●●市 防災アプリ」で調べると、アプリがある場合がありますのでチェックしてみてください。
防災初心者はまず「防災リュック」から!
①防災リュックの基本リスト
<服装>
※災害の種類によって服装を変える
・抱っこ紐
・上着
・軍手(ラバーがついたものが良)
・運動靴(長靴×。底に踏み抜き帽子のインソールが入っていると◎)
・マスク
・傘
・レインコート
・ヘルメット
・ヘッドライト
・防災用の笛
・帽子
・リュックの防水カバー(防水仕様のリュックでない場合)
<リュックに入れるもの>
貴重品類
・本人確認書類・保険証のコピー
・現金(公衆電話用に硬貨を多めに)
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・母子手帳のコピー
・健康保険証のコピー
安全の確保&情報収集
・懐中電灯
・モバイルバッテリー(乾電池式がおすすめ)
・充電用ケーブル
・予備の電池(ライト・ラジオ・モバイルバッテリーなど用)
・携帯ラジオ
・イヤホン
・ハザードマップ
・自治体等が出している防災冊子
・メモ帳&油性ペン
飲み物・食べ物
・飲み物(500mlのペットボトル3-4本くらい)
・1-2日分(3~4食分)の非常食(アルファ化米、レトルトパウチ、缶詰パンなど)
・食べ慣れたお菓子
・スプーンや箸(使い捨て)
・紙コップ
・皿になる容器(準備した非常食に応じて)
衛生用品&小物
・暑さ・寒さ対策できるもの(冷却グッズ・防寒シートやカイロなど)
・ガムテープ(もしくは養生テープ)
・めがねやコンタクト
・ビニール袋(大・小)、ジッパー付き袋
・トイレットペーパー(芯を抜いてつぶすと体積を減らせる)
・携帯簡易トイレ(1人7回×2日分×家族分)
※便器にかぶせるタイプではなく、受け口がついているタイプ
・消臭タイプのビニール袋(汚物を入れるため)
・生理用品(生理目的だけでなく下着を交換できない場合におりものシートがあると便利)
・除菌スプレー
・ウエットティッシュ
・使い捨て不織布マスク
・汗拭きシート
・救急用品(ばんそうこう等)
・はさみ
・タオル
・ガム
着替え&身体を守る
・下着
・インナー
・靴下
・アルミブランケット
・寝袋または簡易マット
・アイマスク
・耳栓
・簡易スリッパ
②防災リュックをつくるときの基本的考え方
ここでは避難する際に持ち出す「防災リュック」の作り方について紹介します。
ポイント
(1)基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
(2)1人ひとつ用意する
(3)避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
(4)居住地域に起こりえる災害を想定して
(1)基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
紹介するリストは、あくまでも「一般的」な物品リストです。
お子さんの年齢、赤ちゃんや高齢者がいる、ペットがいるなどで、各家庭の状況でカスタマイズしましょう。
市販でセットになっている防災リュックもあります。「買って安心」で終わらせず、必ず中身を全部一度出して確認し、自分にあわせて不要なものは抜き、お店やネットで必要な備品を追加しましょう。
(2)1人ひとつ用意する
防災リュックは1人ひとつ用意するのが基本です。赤ちゃんから幼児、高齢者をのぞき、リュックを背負える人には1つずつ備えておきましょう。
なぜ1人1つの防災リュックを準備するのが良いとされる理由は、以下の通り。
・もしはぐれてしまったときでも融通が利きやすくなる
・例えばパパが不在中に避難することになった場合、ママ用と子ども用を背負って逃げれば良い。もの別にまとめて2個~3個のリュックに分けると、どれか1個を持ってくることができないと、不便な状況になる。
・1人が1回・1食に使う分が可視化でき、限られたリュックの容量を無駄にせずパッキングできる
小学生のお子さんがいる場合も、一人ひとつもってもらうとよいでしょう。
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(3)避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
防災リュックに、例えば1週間分の荷物を入れて逃げるのは、重すぎて運ぶことができません。
前述しましたが、防災グッズを準備する際は、状況や目的を明確にして3段階にわけて考えるコツがあります。これをまずは理解したうえで、防災リュックを準備することが大切です。
本章のテーマである「防災リュック(避難リュック)」は、非常時に避難する際に持ち出す最低限の備品を入れ、1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、
「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。
もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?という視点を入れましょう。
(4)居住地域に起こりえる災害を想定して
お住まいの地域のハザードマップを見たことはあるでしょうか。
住んでいる地域では一体どのような災害が起こりやすいのか、またどんな自然災害の歴史があったのか、調べてみるとよいでしょう。
海や川の近くに住んでいる、山の近くに住んでいる、海抜が低い地域に住んでいる、土砂災害が昔あったと言われている地域に住んでいる、豪雪の時に道がよく寸断される・・・
起こりえる災害によって、備えるグッズも、家のどこに置くか、どうやって逃げるか、どこに逃げるのかが全く異なります。
ハザードマップや、自治体が出す防災アプリ、またその地域に適した防災グッズのおすすめなどを参考にしましょう。
おすすめ防災リュック
ここまで、防災グッズがいかに大切かを紹介してきましたが、仕事や家事・育児をしながら防災のことまで考えるのは大変…という方も多いと思います。
そこで、セットでまとまって購入できる防災リュックも選択肢の一つです。
しかし、ここで一番伝えたいのは、「買ったから安心」「もう大丈夫」ではなく
必ずリュックの中身をすべて出して、「本当にわが家に必要なものが全部そろってるか」を確認することが大切です。
時には、セットで入っている中身のうち、わが家にはそこまで優先順位が高くないものもあるかもしれません。
住む地域の災害特徴・家族構成・年齢・高齢者や乳幼児がいるかいないか・持病・アレルギー・個性・ペットの有無…
加えたり、減らしたりして、「自分の家族用にカスタマイズをする」ことが大切です。
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まとめ
地震や台風・大雨・洪水など、非常時・被災時の安全確保のためにも、備えは万全にしておきたいもの。
特に「防災リュック」は、災害発生時から1~2日間の命をつなぐための大切なものが詰まっています。なにも準備していない、という方は、まずは「防災リュック」から準備してみましょう。
(りんごママ)