
近年頻発する自然災害。災害によって物流のライフラインが止まる・・・。
停電で冷蔵庫が使えなくなり食べ物の保冷ができなくなる・・・。
スーパーに行っても何も買えない・・・
災害発生直後は、このようなことが起こる可能性があります。
そこで、家庭内で家族分の食料備蓄と、停電下でも調理ができるよう備品を準備しておきたいものです。いざ災害が発生しても、食料に困ることがないよう普段から防災意識を高めておくことが大切です。
一方で、備蓄するべき食料の量は一体どれくらいなのか、大量の食料をどうやって備蓄し、賞味期限切れにならないよう管理できるのか、わからないことがたくさんあります。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・1週間の食料備蓄量の目安量
・ローリングストックとは
・停電・断水の中で調理するときの必須アイテム
目次
防災準備!1週間の食料備蓄量の目安
一般的に、各家庭で防災に備えるべき食料の目安は「1週間分」と言われています。(農林水産省HPより)
それでは、一体なにを・どれくらい準備したら1週間分の食料になるのか正直見当がつかないところですよね。ここでは、ジャンル別に1週間分の食料目安を紹介します。一度に全部買い込むのは大変です。初めての人は、まずは「3日分」から始めるなど、少しずつ増やしていきましょう。
ポイント
在宅避難で1週間分・大人2名を想定した食料目安
※災害発生後、自宅の安全が確保された上で、避難所ではなく自宅に滞在しつつ、買い物に簡単に行けない状況を想定しています。


① 必需品
水
2リットル×6本×4箱
(1人1日3リットル/内訳:飲料水として1リットル・調理用として2リットル)
カセットコンロ・カセットボンベ
コンロは最低1台、ボンベは12本
②主食(エネルギー・炭水化物)
米
2キロ×2袋(1袋食べたら買い足す)
2kgの米1袋+水+熱源があれば、約27食分になります。
つまり、3食×約9日分の1人分の白米になります! (1食=0.5合=75gとした場合)
2人分想定なので、2袋用意しましょう
乾麺(うどん・パスタ・そうめん・そば)
2袋×2種ほど
(例:そうめん300g×2袋、パスタ600g×2)
めんつゆも大サイズを1本ストックがおすすめ

(例)パスタを茹でるコツ
大量の水で茹でると、水がもったいないですよね。
①麺は茹でる前に半分に折る
②麺がちょうど浸るくらい少量の水を鍋で沸かす
③お湯が沸いたら、半分に折った麺を入れて再沸騰させて1分茹でる
④鍋のフタをして、火を止める
⑤その状態で表記された茹で時間を放置する。フタは開けない
カップラーメン
6個
もしも熱湯を準備できない場合は、ペットボトルの水を入れて15分ほど放置します。ほぐれない場合はもう少し時間を置いてみてください。うどんなどの場合は20分以上。粉末スープは先に入れておきましょう。
パックごはん
6個
停電時は電子レンジが使えない時は、湯せんで温める方法があります。
ですが湯せん用に水がそんなに使えない場合は、下記のようにごはんをパックから取り出して蒸す方法もあります。
①パックごはんを開けて鍋に入れる
②50cc前後の水を鍋に入れる
③火を弱火にして、フタをして10分ほど温める
④鍋の底に米がくっつきやすいので、しゃもじやヘラ、スプーンなどでかきまぜながら
メリット
・水の使用量が少なくて済む
・ご飯が入っていたトレーを食器代わり
③主菜(タンパク質)
レトルト食品 カレー・どんぶり系
18個
パスタソース
6個
缶詰(肉・魚)
18缶
魚肉ソーセージ
4~5本入り×2束
常温で賞味期限が長め!ゴミが少なく、汚れづらいのも◎
④副菜(その他)
・日持ちする野菜類 たまねぎ、じゃがいも等
・梅干し、のり、乾燥わかめ等
・野菜ジュース、果物ジュース等
・調味料 (砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆ等)
・インスタント味噌汁や即席スープ
・ビスケットやチョコなどのお菓子

防災グッズの準備は「3つの段階」で考える
災害直後に緊急で避難する際に、たくさんの防災グッズや備蓄を持ち出すことは難しく、背負える非常用持ち出し袋の中に入れられるものは限られてしまいます。
そこで、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」用意しておくという考え方を紹介していきます。

①「0次の備え」いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、お母さんと子どもに必要なものを入れて携帯しましょう。
ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
ひとめで分かる!「0次の備え」防災ポーチのリスト
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【女性必見】通勤や休日に持ち歩く「防災ポーチ」0次の備えの中身
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②「1次の備え」1~2日分の「避難リュック」
非常時に避難する際に持ち出す最低限の「避難リュック」で1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。リストにあるものをすべて詰め込み、子どもが小学生低学年の場合抱っこする可能性も視野にいれつつ・・・避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。
③「2次の備え」3~7日分の「備蓄」
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅に被害があり避難先での生活が長期化した際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
あるいは、
自宅は無事だけど、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
を想定します。
なぜ家庭の食料備蓄が必要なの?
災害時は、発生からライフライン復旧まで1週間以上かかる場合が多いです。災害支援物資が3日以上到着しない、物流機能の停止、1週間はスーパーやコンビニなどで食品が手に入らないことがあります。
地震等の大規模な災害が発生した場合、被害が拡大すれば、避難所の不足や避難所までの道路網の寸断等により、自宅での避難生活を余儀なくされる可能性もあります。
よって、各家庭で最低3日分、理想では1週間分×家族人数分の食品備蓄をしましょう。
また、これは災害時だけに限らず、感染症等にかかって自宅から数日出かけられない、または出かけるのを控えたいような場合も、役に立つ食料備品です。
ローリングストックとは
ローリングストックとは、普段家庭で食べている食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した部んを買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法です。多めに備えているものを日常の中で消費していくため、特別な準備は必要ありません。


日頃の食生活タイプ別でみる食品選びのコツ
①日頃どれくらい料理してる?タイプ別の食品選びポイント
ところで、食料備蓄が大事、大事、といわれても、リストを見ても実際に災害時に料理できるか、なんだかしっくり来ないことありませんか?
普段は外食・コンビニが多くて料理をしない人。
逆にいつも料理するのが日常化している人。
自分のいつもの生活スタイルや好みから、かけ離れた食料備蓄をしてもいざという時に食べづらいはず。
自分のタイプにあった食料備蓄スタイルを探してみましょう。
【1】普段から料理をする人
→日頃の料理の食材をローリングストックしながら非常時にも備える!乾物や常備菜などもおすすめ。
① 必需品
・水
・カセットコンロ・カセットボンベ
②主食(エネルギー・炭水化物)
・米
・乾麺 うどん・パスタ・そうめん・そば
・パックごはん
アレンジや時短したいときにあったら楽かも!
・インスタントの袋ラーメン
③主菜(タンパク質)
・レトルト食品 カレー・どんぶり系
・パスタソース
・缶詰(肉・魚)
④副菜(その他)
・日持ちする野菜類 たまねぎ、じゃがいも等
・梅干し、のり、ふりかけ
・ひじき、わかめ、切り干し大根、干ししいたけ、高野豆腐などの乾物
・野菜ジュース、果物ジュース等
・調味料 (砂糖、塩、しょうゆ、めんつゆ等)
・インスタント味噌汁や即席スープ
・ビスケットやチョコなどのお菓子
【2】普段は惣菜や弁当が多い人
→自分で加熱したら食べられるように、レトルト食品多めで
① 必需品
・水
・カセットコンロ・カセットボンベ(お湯を沸かしたり、麺をゆでる用)
②主食(エネルギー・炭水化物)
・カップラーメン
・アルファ米やパックごはん
・乾麺 うどん・パスタ・そうめん・そば
③主菜(タンパク質)
・レトルト食品 カレー・どんぶり系
・パスタソース
・缶詰(肉・魚)
④副菜(その他)
・野菜ジュース、果物ジュース等
・インスタント味噌汁や即席スープ
・ビスケットやチョコなどのお菓子
【3】外食が多く普段料理をしない人
① 必需品
・水
・カセットコンロ・カセットボンベ(お湯を沸かす用)
②主食(エネルギー・炭水化物)
・カップラーメン
・パックごはん
③主菜(タンパク質)
・レトルト食品 カレー・どんぶり系
・缶詰(肉・魚)
④副菜(その他)
・野菜ジュース、果物ジュース等
・インスタント味噌汁や即席スープ
・ビスケットやチョコなどのお菓子

②炭水化物(米・パン・麺類)に偏りがち
災害直後は、炭水化物ばかりになりがち。エネルギー源となる炭水化物はとても重要。ですが、栄養バランスを考慮しないと、体調不良の原因に。
災害時、避難所生活や停電した自宅で過ごすなかで、タンパク質を手軽にとるには缶詰やレトルトがおすすめ。ツナ、サバ、イワシ、サンマなどの魚介缶詰をはじめ、コンビーフや焼き鳥などの肉類缶詰、ほかにはゴミが少ない点で魚肉ソーセージもおすすめです。
③便秘や口内炎などにはビタミン・ミネラル・食物繊維
災害時に特になりやすいのが野菜不足です。どうしても炭水化物がほとんどの食事に偏り、ビタミン・ミネラル・食物繊維などが不足しがちです。その結果便秘や口内炎になったという体験が多いようです。
そのためには、じゃがいも・たまねぎ・かぼちゃなどの日持ちする野菜を、日頃から多めにストックしておくことをおすすめします。また、自宅に家庭菜園ができる場合は、防災も視野にいれてこういった野菜を育てたり、日持ちしない野菜であっても自宅の敷地で収穫でき、調理の食材に加えることもできます。
また、乾物のほか、野菜ジュースや果物のジュース、果物の缶詰、ドライフルーツも買い置きしておきましょう。
避難所生活ではトイレ環境が衛生的に良いとは言えず、また集団生活で混雑もし、なかなかトイレに行きづらいもの便秘の一因に。在宅避難であっても、断水で自宅のトイレが使えない場合は、非常用のトイレを使用するため、トイレからどうしても足が遠のいてしまいます。
よって、少しでも栄養に気を付けた食事を心がけることで、体調管理の助けにしたいところです。
④「非常食はおいしくない」はもう古い
「非常食」「備蓄食品」と聞くと、災害時に「どうしようもなくなって一時的に食べるもの、あまりおいしくないもの」と思う人もいるでしょう。
ですが最近は、長期保存のアルファ米やレトルト食品、缶詰パンなど、たくさんの改善を重ねてとてもおいしくなっています。
また、自分自身や家族の好み・食事の配慮点もかんがえつつ、ローリングストックをしながら、おいしくたべてみましょう。
停電・断水時に使えるキッチン系の備品
いくら食材をそろえていても、災害で停電・断水した際に、自宅で調理をするのは大変。
この章では、そんな時にそろえておきたい調理系備品を紹介します。

①食品用ポリ袋
②ラップ
③アルミホイル
④クッキングシート
⑤キッチンペーパー
⑥ピーラー
⑦キッチンばさみ
⑧除菌シート・スプレー
①食品用ポリ袋
・手にかぶせて手袋がわりに
・調理する材料を混ぜ合わせるボウルがわりに
・お椀にかぶせて洗い物の削減
・おすそわけ容器
②ラップ
・おにぎりなどを直接触れずに作る
・お皿に敷いて洗い物の削減
③アルミホイル
・省エネの落しぶた代わりに
④クッキングシート
・フライパンなどの焦げ付き防止に
⑤キッチンペーパー
・ふきんやタオル代わりに
⑥ピーラー
・包丁とまな板を使わずに野菜をスライスして洗い物削減
・薄く切れるので加熱も早い
⑦キッチンばさみ
・①~⑤のものを切ったり
・包丁とまな板を使わずに材料をカット
⑧除菌シート・スプレー
・衛生確保
・手洗い用の水の代わりに
(参考)災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産省)
まとめ
近年頻発する自然災害。家庭内で準備しておきたい「食料備蓄」。
家族の人数×1週間分となると結構な量になりそう。
まずは「3日分」から少しずつ増やしていくのもおすすめです!
(りんごママ)