

置き場所に悩み、結局日常生活では目につかない場所に置きっぱなし…という人も多いのではないでしょうか。
今回は、防災グッズの収納場所に適している場所についてご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・防災グッズを置くときに考える3つの視点
・防災グッズを置く場所とその目的
目次
はじめに:防災グッズの置き場所が大事な理由
「防災グッズは揃えたけれど、どこに置けばいいかわからない……」 そんな悩みを持つママも多いのではないでしょうか?
実は、防災グッズをどこに置くかは、命を守るためにとても重要です。
地震や災害は予測できません。 その瞬間、すぐに必要なものに手が届くかどうかで、安全に避難できるかが決まります。
特に小さなお子さんがいる家庭では、準備の段階で工夫をしておくことが家族の安全につながります。
この記事では、防災グッズを家のどこに置けば良いのか、具体的な場所とポイントをご紹介します。
基本のポイント:防災グッズを置くときに考える3つの視点
防災グッズの置き場所を決める際に大切なのは、次の3つの視点です。
(1)取り出しやすさ
災害は突然やってきます。
地震の揺れが収まった直後や、停電が発生したときに、すぐに必要なものに手が届くことが重要です。 玄関や寝室、リビングなど、普段家族がいる場所の近くに防災グッズを置くことが基本です。
(2)家族構成に合わせた場所
お子さんや高齢の家族がいる場合は、誰でも簡単にアクセスできる場所に置くことが大切です。
たとえば、背の低い棚に置いたり、重たいものは避けたりすることで、誰でも使いやすい環境を整えましょう。
(3)複数の場所に分散
防災グッズを1カ所にまとめて置くのは便利ですが、それが倒壊や火災の影響を受けると取り出せなくなります。大きな地震の際には、扉がゆがんで部屋に閉じ込められてしまうこともあります。豪雨のときは浸水被害も考えられますよね。
家の中の複数の場所、そして1階か2階かに分散しておくことで、どんな状況でも必要なものが取り出せるようにしましょう。
具体例:家の中のベストポジション5選
では、実際に家の中で防災グッズをどこに置けばいいのか、使用目的・いつ何に使うかにわけて、具体的な場所を紹介します。
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(1)避難リュック:玄関近くの収納
1次の備え:防災リュック、避難時に持ち出すもの
玄関は、災害発生時にすぐに外へ避難するための重要な出入口です。
ここに防災リュックや簡単な避難グッズを置いておくことで、慌てずに持ち出せます。
シューズボックスの上や下、玄関脇の収納スペースなどに防災グッズを配置すると便利です。
また、一度家に戻って避難所生活用の備蓄品を取りに行く場合もあります。被害が大きい場合は、家の中の通路がふさがれていたり、家屋の倒壊につながることもあるため、なるべく出入り口から近い玄関に置くとよいでしょう。
(2)寝室のベッドサイド
寝室に置くべき防災グッズ
①靴またはスリッパ+靴下
②懐中電灯またはヘッドライト
③ホイッスル(防災用のものがオススメ)
④上着
⑤めがね・老眼鏡
⑥抱っこ紐
夜中に地震が発生した場合、すぐに動ける準備が大切です。
これらのアイテムは、停電時でも足元を守り、安全に家の中を移動するために役立ちます。
ベッドの横に懐中電灯、スリッパ、靴、笛などの小物を入れた防災グッズを置いておくことをおすすめします。これらの物は、地震であちこちに飛ばされる可能性があるので、エコバッグやボックスなどにまとめて、枕元やベッドの下などに保管しましょう。
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(3)車のトランク
車に積みたい防災グッズ
①保存水
②非常食
③携帯用トイレ
④ブランケット
⑤ホイッスル(防災用がおすすめ)
⑥脱出ハンマー
⑦防災用簡易ライト
⑧おむつ&おもちゃ&DVDなど
外出中に災害が発生した場合、車が一時的な避難所になることもあります。
車のトランクに簡易トイレ、水、非常食、ブランケットなど防災グッズを備えておくと安心です。
小さなお子さんがいる家庭では、特に車には防災グッズを準備しておきましょう。
特に、通勤や子どもの送り迎えで車をひんぱんに使うパパママにとっては、車内の防災準備が大きな安心材料になります。
おむつ、おしりふき、着替え1回分、ミルク、離乳食、ウェットティッシュなど、子どもに必要なアイテムを入れたサブバッグやボックスを常備しておくと、外出中の災害にも対応できます。これは、自然災害にかかわらず、外出中に子どもの突然のおもらし、おむつ切れなどにも活躍するものです。
ただしひとつ注意点があります。夏場は「常温」ではなくなることです。
電池を入れて使うものや、モバイルバッテリーを車内に置きっぱなしにするのは避けましょう。モバイルバッテリーは、通常のバッグに常に入れておくと良いです。
また食べ物は高温での保存に対応しているものを選ぶか、夏場だけは通常のバッグにいつもお菓子を入れておくなどしましょう。
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(4)リビング
リビングに置くグッズの例
1次の備え:防災リュック、避難時身につけるものなど
2次の備え:救急箱、ラジオ、非常食、カセットコンロ、ポータブル電源、LEDランタンなど
家族が最も多くの時間を過ごすリビングにも、防災グッズを置いておくと安心です。
例えば、テレビ台の引き出しやソファの下、収納棚の一角に懐中電灯や簡単な救急セットを用意しておくと、停電時やケガをした際にすぐ対応できます。
家族全員が集まる場所だからこそ、いざという時にすぐ使えるようにしておきましょう。

(5)在宅避難用の備蓄を分散して保管
災害発生後、避難所に行かず自宅で過ごす「在宅避難」を想定した備蓄も重要です。
最低3日分、可能なら7日分以上を備えましょう。
この在宅避難用の「備蓄品」は分散して保管するのが基本です。
なぜなら、自宅が倒壊したり家具が倒れたりしても、どれかは確実に取り出せるようにするためです。
玄関、寝室、リビング、キッチン、押入れ、クローゼット、車庫、車内、物置、ベランダなどへ分けて置いておきましょう。
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大切なのは、「頻度」と「使用目的」にわけて収納することです。
防災備蓄は、「普段使用しないもの」と思いがちですが、これらの防災備蓄の使用目的は「災害時にすぐ使えること」なのです。「使用しないもの」とは考えずに収納しましょう。
缶詰やレトルト食品、インスタントラーメン、乾麺などの保存食は、使いやすい棚に並べておくと便利です。少し多めに購入し、キッチンの通常棚に入れて、普段使いをしましょう。食べた分だけ購入し、また食べる、を繰り返す「ローリングストック」で備蓄しましょう。
また、水のストックは1人1日3リットルが目安。 最低3日分、可能なら7日分の家族の人数分を計算して購入しましょう。すべて水でなくても、お茶などでも大丈夫です。
日用品としては、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、ゴミ袋、簡易トイレなどを忘れずに備えてください。押し入れやクローゼットの下段を活用するのもおすすめです。
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防災グッズの基本!3段階にわけて考える
ここの章では、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」用意しておく考え方を紹介していきます。

防災対策として思いつくものを毎日持ち歩くのは難しいですよね。
例えば2リットルの保存水やアルファ米を「もしものためだから…」と通勤かばんに入れている人はほとんどいないはず。
さらには災害発生時、緊急で避難する際に、何日間避難するのかもわからないのに、とにかくたくさんの食料をかかえて避難所に行く事は難しく、背負える非常用持ち出し袋の中に入れられるものは限られてしまいます。
そこで、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは「3段階に分けて」用意しておくという考え方を紹介していきます。
①0次の備え
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、必要なものを入れて携帯しましょう。
ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
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②1次の備え
非常時に避難する際に持ち出す最低限の「防災リュック」またの名を「非常時持ち出し袋」「避難リュック」で、1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。リストにあるものをすべて詰め込んで、果たしてそれを背負い子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。
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③2次の備え
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅は無事だが、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
あるいは、
自宅に被害があり避難先(避難所や知人宅など)での生活が長期化する際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
を想定します。
特に、災害発生後、電気や水道、ガスが止まった状態で自宅等で生活を続けるには、水・エネルギー(電気やガスで調理したり温める手段があるか)・食糧・トイレの確保が不可欠です。
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またこちらのサイトでは、各家庭の人数等を入力し、1週間分または3日分の備蓄量を示してくれます。
防災備蓄収納2級プランナーのワンポイントアドバイス
(1)頻度と使用目的は?
防災備蓄をどこに置くか、保管しておくかを考える上で大切なのは、「頻度」と「使用目的」にわけて収納することです。
災害発生とともにすぐに持ち出したい「避難リュック・防災リュック」は、各家庭の中ですぐに持ち出しやすい場所に。
ライフラインは止まっても、家で過ごすことを選択した場合に必要な「在宅備蓄」は、日常的に使うものから災害時に使うものまでさまざまあるため、「頻度」と「目的」に合わせて分散保管します。
防災備蓄は、「普段使用しないもの」と思いがちですが、これらの防災備蓄の使用目的は「災害時にすぐ使えること」なのです。「使用しないもの」とは考えずに収納しましょう。
(2)見直しが大事
防災グッズは、一度揃えたら終わりではありません。
季節ごとに必要なものが変わるため、定期的に見直しをすることが大切です。
特に、①食品、②子どもの成長に合わせたアイテム、③季節ものアイテムの更新は、半年に1度の見直しを習慣にして、常に最新の状態を保つよう心がけましょう。おすすめの時期は、3月と9月です。
それ以外の長期保存水、電池、カセットコンロのガスボンベなどの期限は、1年に1度のペースでチェックすると良いでしょう。
また、防災グッズを家族全員がどこに置いているかを把握しておくことも重要です。
家族で防災について話し合い、役割分担を決めておくと、いざという時にスムーズに行動できます。
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まとめ
防災は特別なことではなく、日常生活の中で少しずつ取り入れていくことが大切です。
「どこに置けばいいの?」と悩んでいるなら、まずは家の中で1カ所、すぐ取り出せる場所「玄関」や「リビング」に防災グッズを置いてみましょう。
玄関、寝室、リビング、車そして在宅避難用の備蓄スペースなど、生活の中で使いやすい場所を見つけることが第一歩です。
小さな準備が、大切な家族の命を守り、発災後の生活を守ることにつながります。
家族みんなで安心できる環境を整えていきましょう。
(りんごママ)