単に「防災グッズ」といっても、世代や性別、家族構成や持病などで必要なもの、そして情報は大きく異なります。
今回は、「女性に必要な防災グッズや小物」をリストで紹介し、さらに非常時に女性が犯罪などに巻き込まれないよう、「安全面」で気をつけたいことをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・女性に必要な防災グッズリスト
・災害時に女性が犯罪に巻き込まれないために知っておきたいこと
目次
女性に必要な防災グッズリスト&「基本の考え方」
災害直後に緊急で避難するときに、たくさんの防災グッズを持ち出すことは難しいですよね。特に女性ひとりが背負える重さは限られています。
そこで、まず知っておきたいのが、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは「3段階に分けて」用意しておくという考え方です。
①「0次の備え」
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
②「1次の備え」
非常時に持ち出す最低限(1~2日分)の「避難リュック」
③「2次の備え」
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」
この記事では、災害が発生し避難するときに持ち出す、最低限(1~2日分を想定)の「1次の備え」として「避難リュック」に焦点をあててご紹介します。
基本的考え方「3段階の準備」について先に読みたい方はこちらから
①女性に必要な防災グッズ20選(1次の備え「避難リュック」)
防災グッズは性別や年代によって必要なものは異なります。
生理用品やプライバシーグッズ、衛生用品、安全対策といった、女性特有の防災グッズを1つ1つ紹介します。
この「女性に必要な防災グッズリスト」に加えて、次に後述する「基本セットリスト」もあわせて、防災グッズの準備をするようにしましょう。
1.生理用品
2.パンティライナー(おりものシート)
3.防臭袋
4.カップ付きキャミソール
5.着替え
6.ホイッスル(防災用)
7.防犯ブザー
8.不織布マスク
9.スキンケア用品、メイク落とし
10.ヘアゴム、ヘアクリップ
11.リップクリーム
12.アイブロウ
13.鏡
14.汗拭きシート
15.ドライシャンプー
16.洗濯用ネット
17.常備薬
18.カイロ
19.大判のストールやブランケット、ふろしき
20.黒いごみ袋
1.生理用品
環境の変化やストレスで、周期が乱れて予想外に生理が始まることも。普段使っているものを防災リュックに入れておきましょう。
2.パンティライナー(おりものシート)
災害時は着替えたいときに下着を着替えられないことも。洗濯することも簡単にはできません。何日も同じ下着で不快にならないよう、パンティライナーを取り換えることで対応する方法があります。
3.防臭袋
取り替えたけどすぐに捨てられない生理用品、子どものオムツ、下着など臭いのするものを入れます。普通のビニール袋だとどうしても臭いが漏れてしまうものです。ペット用や赤ちゃん用、介護用、生ごみ用などがあり、ホームセンターのこれらの各売り場で購入できます。もちろん、ネットでも買うことができます。
4.カップ付きキャミソール
防災リュックに備えるのは、ブラジャーではなくカップ付きのインナーがおすすめです。なぜなら、避難所生活で洗濯する際、明るい色やレース付きの下着は防犯面で不安があります。洗う、干す際に男性の目に留まることを考えると、暗めの色でカップ付きのインナーを準備しましょう。
また、ショーツも同様です。もし準備できるなら、女性用のボクサータイプのショーツや、使い捨てのコットン素材のショーツもあります。災害時に洗濯するのが難しいこと、干す場所に困ることを考えて下着類を準備したいですね。
5.着替え
防災リュックに詰めるのは、1~2日間の避難を想定した量になります。着替えを入れる際は、以下のポイントがあります。
・動いやすい(座ったり立ったりする、下着が見えないようにする)
・長袖長ズボン(肌の露出を少なく)
防犯の点から、できるだけ肌の露出を控えることがおすすめです
6.ホイッスル(防災用)
万が一、屋内に閉じ込められたり、ガレキの下敷きになってしまった場合に助けを求めるのに必須なグッズがホイッスルです。女性にとっては災害後の犯罪から身を守る防犯対策も兼ねています。
7.防犯ブザー
後述しますが、災害時は女性や子どもが犯罪に巻き込まれる可能性が高くなります。避難所で夜中にトイレ等に行くときは、必ず複数人で行ったり防犯ブザーを携帯しておきましょう。
8.不織布マスク
災害後は、粉塵が舞ったりヘドロの匂いがしたり、また噴火災害の場合は火山灰も発生する可能性があります。
避難所で共同生活を送る際に、風邪等の予防にも。また、女性のスッピン隠しにも使えます。
9.スキンケア用品、メイク落とし
メイク落としは発災日当日の化粧を落とす想定のものです。避難所生活では十分に洗顔ができなかったり、乾燥やストレスで肌荒れする傾向があります。最低限の化粧水・乳液などのトラベルセットがあると、使いやすそうです。洗顔と化粧水等で少し気分転換にもなります。
10.ヘアゴム、ヘアクリップ
洗髪ができない日が続いたり、避難所で運営のお手伝い等をする際に髪を結んでおけるようにヘアゴムやヘアクリップがあると重宝します。
11.リップクリーム
乾燥によるひび割れを防ぐために、使い慣れているものを一つ入れておきましょう。
12.アイブロウ
お化粧はできなくても、眉毛だけでもかいておきたいという女性は多いはず。一本入れておくと安心です。
13.鏡
小さな鏡でよいので、一つ入れておくと安心です。
14.汗拭きシート
発災後すぐにはお風呂には入れません。体がべたべたしたり、臭いが気になってくることも。赤ちゃんがいる方は、おしりふきも活用できます。小さなお子さんの身体を拭くときは、汗拭きシートよりもおしりふきで全身をふいてあげましょう。
15.ドライシャンプー
水を使用せず洗い流さないドライシャンプー。「聞いたことはあるけど、使ったことはない」という人も多いはず。スプレータイプ、シートタイプなどあります。ドライシャンプーを髪全体につけ、頭皮や髪になじむようしっかり揉み、乾いたタオルで拭いて使います。
16.洗濯ネット
もしも避難所で洗濯をすることになったら、洗濯用ネットがあると下着が人目に付きづらいです。干す際もネットで目隠しすることもできます。
17.常備薬
避難生活では薬はなかなか手に入りづらいものです。普段から飲んでいる薬があれば、2日分ほどをリュックで持ち出せるようにしましょう。
18.カイロ
冬季の寒さ対策として使うのはもちろん、夏場も生理痛対策やちょっとした寒さ対策にもなります。また、赤ちゃんのパウチ型・弁当型のベビーフードや、液体ミルクを温めることもできます。
19.大判のストールやブランケット、ふろしき
着替え、授乳等の目隠しや、簡易トイレ等をする際の目隠しにも。ちょっとしたひざ掛けや枕になったり、荷物の上にかけて目隠しにしたり、
結んで荷物運びにも使えます。
20.黒いごみ袋
中身が見られたくないものを手に持って運んだり、着替え等の目隠し、荷物を隠すなど、黒いビニール袋の使い方はたくさんあります。大きめのサイズだと多様な目的で使えるのでおすすめです。
②防災リュックの「基本セットリスト」(1次の備え「避難リュック」)
先述した「女性セット」だけでは食料や水、トイレなど基本的なものが足りません。よって、下記の「基本セット」に「女性セット」を加えたうえで準備しましょう。
貴重品類
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・本人確認書類・保険証のコピー
・現金(公衆電話用に硬貨を多めに)
・健康保険証のコピー
・母子手帳のコピー
安全の確保&情報収集
・小型のライトやヘッドライト
・モバイルバッテリー(電池式がおすすめ)
・充電用ケーブル
・予備の電池(ライト・ラジオ・モバイルバッテリーなど用)
・携帯ラジオ
・イヤホン
・ハザードマップ
・自治体等が出している防災冊子
・メモ帳&油性ペン
飲み物・食べ物
・飲み物(水:500mlのペットボトル3-4本くらい)
・1-2日分の非常食(アルファ化米、レトルトパウチ、パウチ入りパン、野菜ジュースなど)
・食べ慣れたお菓子など
・スプーンや箸(使い捨て)
・紙コップ
衛生用品&小物
・暑さ・寒さ対策できるもの(冷却グッズ・防寒シートやカイロなど)
・ガムテープ(もしくは養生テープ)
・めがねやコンタクト
・ビニール袋(大・小)、ジッパー付き袋
・トイレットペーパー(芯を抜いてつぶすと体積を減らせる)
・携帯トイレ、簡易トイレ(1人7回×2日分×家族分)
・除菌スプレー
・ウエットティッシュ
・使い捨て不織布マスク
・救急用品(ばんそうこう等)
・はさみ
・タオル
・ガム
・安全ピン
・ビニールテープ
着替え&身体を守る
・インナー
・靴下
・アルミブランケット
・寝袋または簡易マット
・アイマスク
・耳栓
③防災グッズは「3段階」で考える
ここでは、災害時に防災グッズや備えを生かすために「3段階に分けて」用意する考えを紹介します。
例えば、防災のためだからといって、通勤やおでかけの時に、毎日2リットルの保存水やアルファ米を持ち歩くことは現実的ではないですよね。さらに、災害発生時に緊急で避難する際、あらゆる防災グッズや備蓄を持ち出すことは難しく、背負える非常用持ち出し袋の中に入れられるものは限られてしまいます。
そこで、自宅で準備する防災グッズは「3段階に分けて」用意しておくという考え方があると、とてもシンプルでスムーズに行うことができます。
(1)「0次の備え」
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、必要なものを入れて携帯しましょう。ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
(2)「1次の備え」
非常時に避難する際に持ち出す最低限の「避難リュック」(1~2日分を想定)
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。思いつくものをすべて詰め込んでそれを背負い、子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。
(3)「2次の備え」
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。
さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅に被害があり避難先での生活が長期化した際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
あるいは、
自宅は無事だが、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
という視点で考えます。
④セットの「防災リュック」を購入して手軽に準備する
そんなあなたには、セットになっている防災リュックを購入するという選択肢もあります。
ある程度必要なものがまとまって入っていますが、【女性に必要な防災グッズや小物】が入っていない場合があります。女性にとってあったほうがいいもの、そして「自分にとって必要なもの」を追加して、カスタマイズするとよいでしょう。
女性におすすめ非常食のポイント
①災害時も野菜を摂れる非常食
1.カゴメ 野菜一日これ一本 長期保存用
・賞味期間5.5年で長期保存が可能。
・野菜350g分がぎゅっと濃縮されてスッキリおいしい
・ 食塩、砂糖、香料、保存料無添加
・野菜汁100%
・味が気になる人は、まずは少量で数本買って、味見してからまとめ買いしても良いかも!
2.カゴメ 野菜たっぷり スープシリーズ
・賞味期限5年で長期保存OK
・温めずそのまま食べることが可能な野菜のスープ
・ごろごろと野菜、豆、キノコがしっかりと入ってます
・化学調味料・着色料不使用
・トマト、かぼちゃ、きのこ、豆の4種類選べます
避難生活でも野菜不足にならないよう、上記のような野菜を摂れる非常食もおすすめです。
災害時に野菜不足になる人が多くなる理由は、避難所生活や電気がストップした在宅避難の自宅では、野菜を保管することが難しくなること、また物流が滞り新鮮な野菜を手に入れることができなくなってしまうから。
野菜が足りなくなると、体にはさまざま不調が起こります。例えば、野菜に含まれるカリウムや鉄分などのミネラルが不足すると、体内水分の調節がうまくいかず倦怠感、動悸、疲労感を感じる人もいます。また抗酸化作用のあるビタミンが不足すれば、体内には活性酸素が増え、免疫力の低下や生活習慣病につながります。さらに野菜に含まれる食物繊維が不足すると、排便が滞ります。避難生活の環境変化によるストレスや水分不足、混雑かつ衛生的にきれいとは言えないトイレ環境もあり、災害時は多くの方が便秘に悩まされることになります。
②手軽でゴミも少ない長期保存パン
また、「1次の備え」の避難リュックには、調理が不要でゴミも少ない非常食がおすすめです。例えば、袋入りの長期保存可能なパンです。
ひだまりパン
・しっとりしていて、食べやすい。
・賞味期限は5年長期保存
・チョコ・プレーン・メープルの3種類あり
・缶詰入りではないので、ゴミが少なくリュック内でかさばらない
・甘くて子どももすんなり食べてくれた
災害時に女性が気をつけたい安全面
女性は災害時、衛生面や安全面で気をつけたいことがたくさんあります。これまでの大災害の際には、災害時に女性が危険な目にあっている事例が報告され、避難所等で女性の視点がまだまだ足りていないのが現状です。避難所や在宅避難で生活をするにあたって、犯罪に巻き込まれないためにも自分の身を守れるように、知っておきたいことを紹介します。
①お互いに声をかけあって助け合う
- 避難所にいる場合、場所を離れてトイレなどに行くときは、周囲の女性同士で声をかけあい、存在を知らせる
- 給水所などへ行く際も、家族や友達、近所の人と行動する
- 防犯ブザー・ライト・ホイッスル等を持ち歩く
- 困りごとを女性同士で共有し、改善の声を相談する
- 子連れや授乳時の困りごとや希望も、抱え込まずに頼ったりニーズを伝える
- オシャレよりも安全重視の服装をする。肌を露出しない、マスクや帽子も活用、下着を干さないなど。
災害時はセキュリティリスクが下がることから、女性や子どもが怖い思いをすることがあります。災害で大変な状況下の中、さらに犯罪に巻き込まれて怖い目に合わないためにも、自分の身は自分で守れるよう、事前の備えと周囲との助け合いを心がけたいですね。
②いつものカバンに持ち歩く備え
普段から「防災ポーチ」(0次の備え)を持ち歩き、発災時に少しでも備えておきましょう。この防災ポーチとは、日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、必要なものを入れて携帯しておくことをおすすめします。
【女性必見】通勤や休日に持ち歩く「防災ポーチ」0次の備えの中身
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③トイレ・衛生面
災害時にどうしても立ちはだかるのが、トイレの問題。空腹は我慢できても生理現象は我慢できないのが現実です。実際に過去の災害経験者から、最も困ったのはトイレの問題、というアンケート結果もあるほどです。
- トイレを我慢しない(体調不良の原因に)
- 携帯トイレや簡易トイレを1週間分以上準備する(一人あたり1日7回前後)
- おりものシートを活用(下着の交換が難しい)
- 中が見えないポリ袋
- 夜間のトイレは複数名で行く
まとめ
地震や台風・大雨・洪水など、非常時・被災時の安全確保のためにも、できるだけ日頃から備えておきたいもの。災害時に犯罪に巻き込まれたり、怖い想いをしないよう、女性に必要な防災グッズも追加し、自分の身を守れるようにしておきましょう。
(りんごママ)