

地震や台風・大雨・洪水など、いざというときのためにも、備えは万全にしておきたいものですね。
ですが、準備しようにも何から一体準備したらいいか分からない、という人も多いはず。
防災グッズとひとことで言っても、
「何日分?」「どれくらいの量?」「どんな時を想定した準備をしたらいいの?」
など疑問も多いと思います。
この記事を読むと以下のことがわかります。
この記事でわかること
・避難時に持ち出す防災リュックのリスト
・防災グッズ準備するときの基本!「3段階に分ける考え方」
・赤ちゃんや小学生がいる場合の追加グッズ
目次
基本!1人ひとつ準備する防災リュックの中身リスト
ここでは避難する際に必要な「防災リュック」の作り方について紹介します。
作り方のポイント
①基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
②1人ひとつ用意する
③避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
④居住地域に起こりえる災害を想定して
①基本のリストを軸に各家庭でカスタマイズ
紹介するリストは、あくまでも「一般的」な物品リストです。
お子さんの年齢、赤ちゃんや高齢者がいる、ペットがいるなどで、各家庭の状況でカスタマイズしましょう。
市販でセットになっている防災リュックもあります。「買って安心」で終わらせず、必ず中身を全部一度出して確認し、自分にあわせて不要なものは抜き、お店やネットで必要な備品を追加しましょう。
②1人ひとつ用意する
防災リュックは1人ひとつ用意するのが基本です。赤ちゃんから幼児、高齢者をのぞき、リュックを背負える人には1つずつ備えておきましょう。
なぜ1人1つの防災リュックを準備するのが良いとされる理由は、以下の通り。
・もしはぐれてしまったときでも融通が利きやすくなる
・例えばパパが不在中に避難することになった場合、ママ用と子ども用を背負って逃げれば良い。もの別にまとめて2個~3個のリュックに分けると、どれか1個を持ってくることができないと、不便な状況になる。
・1人が1回・1食に使う分が可視化でき、限られたリュックの容量を無駄にせずパッキングできる
③避難所に1泊2日間避難することを想定した内容
防災リュックに、例えば1週間分の荷物を入れて逃げるのは、重すぎて運ぶことができません。
後述しますが、防災グッズを準備する際は、状況や目的を明確にして3段階にわけて考えるコツがあります。これをまずは理解したうえで、防災リュックを準備することが大切です。
今回のテーマである「防災リュック(避難リュック)」は、非常時に避難する際に持ち出す最低限の備品を入れ、1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、
「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。
もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?という視点を入れましょう。
④居住地域に起こりえる災害を想定して
お住まいの地域のハザードマップを見たことはあるでしょうか。
住んでいる地域では一体どのような災害が起こりやすいのか、またどんな自然災害の歴史があったのか、調べてみるとよいでしょう。
海や川の近くに住んでいる、山の近くに住んでいる、海抜が低い地域に住んでいる、土砂災害が昔あったと言われている地域に住んでいる、豪雪の時に道がよく寸断される・・・
起こりえる災害によって、備えるグッズも、家のどこに置くか、どうやって逃げるか、どこに逃げるのかが全く異なります。
ハザードマップや、自治体が出す防災アプリ、またその地域に適した防災グッズのおすすめなどを参考にしましょう。
防災リュックの中身リスト
服装
※災害の種類によって服装を変える
・抱っこ紐
・上着
・軍手(ラバーがついたものが良)
・運動靴(長靴×。底に踏み抜き帽子のインソールが入っていると◎)
・マスク
・傘
・レインコート
・ヘルメット
・ヘッドライト
・防災用の笛
・帽子
・リュックの防水カバー(防水仕様のリュックでない場合)
<リュックに入れるもの>
貴重品類
・本人確認書類・保険証のコピー
・現金(公衆電話用に硬貨を多めに)
・パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
・母子手帳のコピー
・健康保険証のコピー
安全の確保&情報収集
・懐中電灯
・モバイルバッテリー(乾電池式がおすすめ)
・充電用ケーブル
・予備の電池(ライト・ラジオ・モバイルバッテリーなど用)
・携帯ラジオ
・イヤホン
・ハザードマップ
・自治体等が出している防災冊子
・メモ帳&油性ペン
飲み物・食べ物
・飲み物(500mlのペットボトル3-4本くらい)
・1-2日分(3~4食分)の非常食(アルファ化米、レトルトパウチ、缶詰パンなど)
・食べ慣れたお菓子
・スプーンや箸(使い捨て)
・紙コップ
・皿になる容器(準備した非常食に応じて)
衛生用品&小物
・暑さ・寒さ対策できるもの(冷却グッズ・防寒シートやカイロなど)
・ガムテープ(もしくは養生テープ)
・めがねやコンタクト
・ビニール袋(大・小)、ジッパー付き袋
・トイレットペーパー(芯を抜いてつぶすと体積を減らせる)
・携帯簡易トイレ(1人7回×2日分×家族分)
※便器にかぶせるタイプではなく、受け口がついているタイプ
・消臭タイプのビニール袋(汚物を入れるため)
・生理用品(生理目的だけでなく下着を交換できない場合におりものシートがあると便利)
・除菌スプレー
・ウエットティッシュ
・使い捨て不織布マスク
・汗拭きシート
・救急用品(ばんそうこう等)
・はさみ
・タオル
・ガム
・安全ピン
・ビニールテープ
着替え&身体を守る
・下着
・インナー
・靴下
・アルミブランケット
・寝袋または簡易マット
・アイマスク
・耳栓
防災グッズ準備するときに知っておきたい「3段階に分ける考え方」
ここの章では、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは、「3段階に分けて」用意しておく考え方を紹介していきます。

防災対策として思いつくものを毎日持ち歩くのは難しいですよね。
例えば2リットルの保存水やアルファ米を「もしものためだから…」と通勤かばんに入れている人はほとんどいないはず。
さらには災害発生時、緊急で避難する際に、何日間避難するのかもわからないのに、とにかくたくさんの食料をかかえて避難所に行く事は難しく、背負える非常用持ち出し袋の中に入れられるものは限られてしまいます。
そこで、災害時に防災グッズや備えを生かすために、家庭で準備するものは「3段階に分けて」用意しておくという考え方を紹介していきます。
①0次の備え
いつも常に持ち歩く「防災ポーチ」
日常的に携帯するもので、災害発生直後に命を守り、被災場所から自宅や避難所にたどりつくまで、数時間から一晩過ごすために必要なものです。普段のバッグの中に入れられる大きさのポーチに、必要なものを入れて携帯しましょう。
ポーチの素材は防水性で、できるだけ軽量&コンパクトなものがおすすめです。
②1次の備え
非常時に避難する際に持ち出す最低限の「避難リュック」で、1~2日分を想定した内容です。
基本的な考え方は、「自分が」「自宅から避難所まで」「緊急時に」「持ち出せるか」という点です。もしも旦那さんが仕事や外出中に、大人は自分ひとりで子どもを守りながら避難所まで行けるか?
よくインターネットで「防災 グッズ」と調べると、たくさんの情報が出てきます。リストにあるものをすべて詰め込んで、果たしてそれを背負い子どもを抱っこひもで抱えながら避難場所まで逃げられるか、というのを考えながら、準備することをオススメします。

③2次の備え
ライフラインが途絶えたときに必要な3~7日分の「備蓄」のことです。さらに被害が甚大で避難生活が数週間になる場合は、さらに備蓄があると安心です。
具体的には、
自宅は無事だが、ライフラインが止まった状況の中で「在宅避難」を続けるために生活に必要な物資
あるいは、
自宅に被害があり避難先(避難所や知人宅など)での生活が長期化する際、自宅の安全を確認したうえで改めて自宅から持ち出す物資
を想定します。
赤ちゃんがいる場合の追加グッズ
小さな赤ちゃんがいる家庭は、追加でグッズを追加しましょう。これも、1~2日間分を想定した荷物量です。
オムツのサイズ、離乳食や食器類の有無は、月齢にあわせて準備しますが、赤ちゃんの成長は早いため、①、③、⑥、⑦、⑧は3ヶ月ごとに見直しましょう。

①オムツ(10枚前後)
②おしりふき
③着替え2セット
④ビニール袋
⑤消臭タイプのビニール袋
⑥おもちゃ(音の鳴らない)、絵本、シール
⑦離乳食、液体ミルク、使い捨て哺乳瓶など(1-2日分)
⑧食器類(使い捨てのスプーン、深めのお皿、カップ、紙コップなど)
⑨授乳ケープ(大きめの布)
⑩母子手帳/保険証/医療証/お薬手帳
⑪保存水(純水がおすすめ)
⑫カイロ/発熱剤
⑬歯みがきシート
⑭おくるみ/アルミブランケット
①オムツ(10枚前後)
2日間分を想定して。月齢やその赤ちゃんにあわせて10枚以上でも◎
②おしりふき
おしりふきはお手拭きや体をふくことにも使える万能アイテム。
③着替え2セット
はき戻しやオムツ漏れ、雨でぬれるなどを想定して、2セットあると安心。
④ビニール袋
ゴミから着替えまでなんでも入れられる。
⑤消臭タイプのビニール袋
オムツ用に入れておく。大人の使用済み非常トイレの汚物を入れるのにも活躍します。
⑥おもちゃ(音の鳴らない)・絵本
避難所では音のならないおもちゃ推奨。絵本やぬいぐるみなど。
⑦レトルト離乳食、液体ミルク、使い捨て哺乳瓶など(1-2日分)
月齢にあわせて液体ミルク、使い捨て哺乳瓶。離乳食が始まっていたら、今食べている月齢より「次のステップの離乳食レトルト」をリュックに入れておくと◎
例えば今が生後8か月で、普段「生後7か月」対象と売られている離乳食のレトルトを食べているとしたら、一般的に次のステップとして売られているのが「生後9か月」と書かれているパウチ。この9か月のレトルトパウチをリュックに入れておきましょう。
月齢がすすんで生後9か月用のレトルトを食べられるようになったら、次のステップの「12か月」用のレトルトパウチをリュックに入れておきましょう。
リュックから出したパウチは、普段の食事で食べます。
⑧食器類(使い捨てのスプーン、深めのお皿、カップ、紙コップなど)
こちらも月齢に合わせて。
洗うことは簡単にできないので、お皿にビニール袋をかぶせたり、使い捨てのお皿などがおすすめ。まだコップ飲みができなくても、上手にアシストして紙コップで飲ませてあげましょう。
⑨授乳ケープ(大きめの布)
授乳だけでなく、着替えの目隠し、床に敷く、おくるみがわりなどに。
⑩母子手帳/保険証/医療証/お薬手帳などのコピー
メモ類、コピー類は水に濡れないようにビニール袋などに入れておくのがおすすめ。
⑪保存水(軟水)
水には「軟水」と「硬水」があります。
消化器官の発達していない赤ちゃんが「硬水」を飲むと腎臓に負担をかけてしまいます。赤ちゃんのお水は必ず「軟水」を備えましょう。
⑫カイロ/発熱剤
常温や冷たいままの液体ミルクや離乳食パウチは、なかなか食べてくれないことも。
災害時に、お湯を使わずにミルクや離乳食を温めには、カイロや発熱材を使う方法があります。
カイロをミルク缶のまわりや、離乳食パウチに貼り付け、さらにタオルで包んで2~3時間まちます。
ほかには、災害時やアウトドアに使える発熱材も便利です。
詳しくはこちらをチェック!
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⑬歯みがきシート/歯ブラシ
赤ちゃん用の歯磨きシートは1枚ずつ小分けになっています。月齢的に歯ブラシを始めていたら、歯ブラシでも◎
⑭おくるみ/アルミブランケット
寒さ対策や、お昼寝時用に。目隠しにもなります。
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小学生以上の子どもにも防災リュックを
小学生に背負ってもらう、避難リュックに入れるグッズリストを具体的にご紹介します。
まず前提として、
今回は「ランドセルを背負うことに慣れた小学生以上」かつ「保護者(大人)と一緒に同じ避難所に避難する」
を想定してご紹介します。
よって、小学生の子どもに持たせる避難リュックにはすべて入りきらず、大人のリュックにも必要なものを入れて避難する、という前提です。

小学生の防災リュックリスト
①パーソナルカード(または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ)
②防災用ホイッスル
③ライト
④飲み物
⑤1~2食分の非常食で軽いもの
⑥長期保存のお菓子
⑦遊べるもの
⑧レインコート(上下セパレート)
⑨着替え
⑩ビニール袋
⑪使い捨て不織布マスク
⑫軍手
①パーソナルカード
・自分の特徴、アレルギー、持病、家族構成、家族の連絡先など、被災時に必要になる情報をまとめたカード のこと。インターネットでカードのテンプレートをDLして手作りできます。
・または家族の写真+家族の連絡先を書いたメモ
②防災用ホイッスル
・100円SHOPなどで購入できる中にコルク玉が入っているタイプではなく、防災用がおすすめ
・ネットなどで1000円以内で購入できます
③ライト
・手から落とさないように手首ストラップがついているライトや、両手があくようにヘッドライトがおすすめです
④飲み物
・500mlのペットボトル水を1~2本ほど
・子どもの体力で持てる本数を調節
⑤1~2食分の非常食で軽いもの
・長期保存パンなど。パウチタイプはかさばらず軽いのでおすすめ
・持てない分は大人のリュックに入れる
⑥長期保存のお菓子
・非常時でいつもと違う環境にいるので、お菓子があると少しでも子どもの心ケアに。
・半年に1回リュックを見直すなら、長期保存ではなくいつも食べ慣れたお菓子でも◎
・全部は入りきらないので少量からでも
⑦遊べるもの
・音がならないもの、充電不要なもの
・複数人で遊べるものだと、子ども同士の交流とストレスケアにも。
・おもちゃ例(おりがみ・ぬりえ・おえかき・トランプ・シールブック・ちいさなボードゲーム・ミニパズル・ぬいぐるみ・スマホ・ゲーム←充電ツールが確保されていれば)
⑧レインコート
・大雨や台風時に使用
・リュックに入れるのではなく、着用する
・上下セパレートタイプが着替えやすく動きやすい
⑨着替え
・濡れたり汚したりすることも想定して2セット
・小学校高学年でも災害時はなにがあるか分からないので着替えはマストで
⑩ビニール袋
・普通のビニール袋のほか、防臭タイプもあると◎
⑪使い捨て不織布マスク
・避難所で使用
・衛生面でもケア
⑫軍手
・グリップ付きがおすすめ
何歳から避難リュックを自分で持たせる?
何歳から避難リュックを準備するか、という明確な決まりはありませんが、目安としてはランドセルを自分で背負える小学生になったタイミングが、ひとつの目安です。
小学生になると、自分のものを自分で管理し、もち運ぶという習慣が生まれます。また、さまざまなことに興味をもつ時期であり、自然災害のことがテレビやニュースで流れているのをみて、認識し始める時期でもあります。避難リュックを一緒につくるのをきかっけに、防災意識を高めることにもつながります。
低学年では持てる量にも限りがあるため、子どもの成長や発達に応じて小学生用の防災リュックを準備すると良いですね。
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りんご家の防災リュック準備レポ
①現状はこうだった
4人家族の父・母・小学生・0歳児。
大人2人が背負う用のリュックを2つ準備。
リュック1
食料、水、食事の際につかう消耗品類、0歳児用離乳食・缶ミルク
リュック2
衛生用品、貴重品類、文具類、トイレ関係、身を守るためのグッズなど
といったように、リュック1とリュック2にわけてパッキングしていました。
②見直し!1人1つのリュックで完結
心配ごともありました。
もしもパパが不在のときに災害が発生し避難が必要になったら。もちろん逆パターンでママ不在時もしかり。大人が1人で7~8kgのリュックを2つ持ち、赤ちゃんを抱っこ紐でかかえ、小学生の子どもの手を引いて逃げられない・・・と思いつつ、リュックの中身はそのままにしていました。
防災リュックは1人ひとつ用意する基本にもとづき、防災リュックを一度すべて解体し、見直すことにしました。
なぜ1人1つの防災リュックを準備するのが良いとされる理由は、以下の通り。
・もしはぐれてしまったときでも融通が利きやすくなる
・例えばパパが不在中に避難することになった場合、ママ用と子ども用を背負って逃げれば良い。
・もの別にパッキングしたリュックが複数あると、いざというときにどれかのリュックを諦めることになり、避難先で不便になる。
・1人が1回・1食に使う分が可視化でき、限られたリュックの容量を無駄にせずパッキングできる
パパ・ママ・小学生用のリュックに対して、すべて1人分ずつに小分けしたジップロックを詰めていきます。
1人分に分けづらいものや、みんなで使うもの、特別重い物は、パパのリュックへ。
0歳児の赤子のものは、ママと使うことが多いのでママリュックへ。
小学生のリュックは、基本のものは入れましたができるだけ軽くしました。小学生分の入りきらないものは、パパママリュックに分散しました。
③小学校低学年の子どもにも1つ準備
毎日ランドセルを背負って片道20~25分歩いて通学している娘。
いつのまにか防災リュックを背負う立派なメンバーに成長していました。
基本的には、「親と一緒に避難する」を想定していますが、もしも別行動になってしまった場合を想定して、最低眼の食料・水・衛生用品とおもちゃ類を入れました。
娘と一緒に中身を確認作業もしました。
まとめ
地震や台風・大雨・洪水など、非常時・被災時の安全確保のためにも、備えは万全にしておきたいもの。
特に「防災リュック」は、災害発生時から1~2日間の命をつなぐための大切なものが詰まっています。なにも準備していない、という方は、まずは「防災リュック」から準備してみましょう。
(りんごママ)